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「あ、A」
思わず声が出た
久々だった
Aはこっちを向くと微笑んで言った
A「おつかれ」
「うん…」
今日ジアに言われたことを思い出した
今週、デートしたいと
僕はもちろん断った
Aとの約束があったから
でも二週間しかないのに、他を優先させるのかって言われて
渋々、了承した
彼女を優先しろって
Aはそんな事言わないのに…ってすぐ比べちゃう
言いたくないけど、言わなきゃいけない
「A、あのさ」
A「うん?」
こちらをもう一度見たAと、どうしても目が合わせられなかった
「今週の日曜日なんだけど…
行けなくなった…ごめん」
A「…分かった」
すぐに了承したAを見ると、空を見上げてて
でもAがなんとなく、暗い雰囲気なのは分かる
たとえ暗闇でも、顔が見えなくても
Aの気持ちは分かる
悲しんでくれてるんだよね…ねぇA
今すぐそっちへ行って抱きしめたい
Aが好きなんだって言いたい
Aが誰を好きなのか
誰を見てるのか
なんてもうどうでもいいから
僕に好きだと伝えさせて…
そんな気持ちも虚しく
A「おやすみ」
Aはそう言った
「うん、おやすみ」
こんな会話も久々
毎日言ってたのに
「ジミナ…」
部屋に入ろうとすると呼び止められて
振り向くとこっちを真っ直ぐ見るAと目が合った
「ん?」
A「幸せになってよ」
「え…」
なんでそんな…そんな辛そうな笑顔で言うんだよ
違うよ…A…
僕が幸せになるなら、隣にはAがいなきゃいけないんだよ…
A…
部屋に入ると涙がこぼれた
目の前が滲んで
スマホを片手にベッドへ潜り込んだ
スマホの中のAとの素っ気ない会話さえ
今は出来なくなってしまうんじゃないかって辛くなる
早く終われ二週間…
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作者名:ビナ | 作成日時:2021年10月5日 3時