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番号を呼ばれた人が次々へと部屋を出て行く



それを恨めしい気持ちで眺める



せっかく東京まで来たのに…。



最後の人が部屋から出て行くと



番号を読み上げていた人が



私たちのセンター前へと立つ。








パンっ!と手をひとつ叩いた…。








すっかり落ち込んだ様子の人も



皆が、その人に注目する。









「…おめでとうございます!」









と、その人はにこやかに話し始めた…









「ここに残っている人は全員、筆記試験を通過した人たちです。」









???









「さて、これから実技審査に移りたいと思います。5人ずつ順番にお呼びしますので、呼ばれた人は速やかに移動を願います。」









まるで



…頭に入ってこない。



書類審査通過?



実技審査?



喜ぶ暇もなく、実技審査の内容が書かれた紙が配布される。



歌、ダンス、朗読、質疑応答。



……。



ここまできたんだ、やるしかない!



と無理矢理に奮い立たせ



私は女優、私は女優…とおかしな呪文を唱えるように



自分に言い聞かせた。

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作者名:ままさん。 | 作成日時:2018年3月11日 11時

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