185話 ページ45
廊下を歩いていると見覚えのある顔がいた。
「あ」
また子「げっ…」
明らかに嫌な顔をされた。
「その反応は私でも傷つくな」
また子「…なんの用っスか」
「見覚えのある顔だなって思っただけだよ」
するとまた嫌そうな反応をされる。
この子は顔に出る子なんだと確信した。
一刻も早く私から離れたいのか、ソワソワしている。
また子「晋助様はなんでこんな女のことっ…」
なんてブツブツ言っている。
「ねぇ、どうしてそんなに晋助のこと好きなの?」
また子「は、はぁ!?」
「あ、どうして分かったんだって顔してる。本当に顔に出やすいんだね」
また子「いい加減にっ…!」
「晋助のことよろしくね」
また子「な、何言って…」
「晋助、ああ見えても寂しがり屋だからさ」
また子「…」
「お願いね」
また子「……そんなことあんたに言われなくてもわかってるっス」
.
.
あっという間に3日が経った。
予定通り、この艦は地球へ向かうらしい。
私は外に出る準備をしていた。
準備と言っても特に持っていくものはない。
「…銀時」
私は彼の名を口にする。
銀時は私の事を簡単に許してはくれないだろう。
銀時に謝りたい、私はその事だけを考えていた。
すると、コンコンっと戸を叩く音がした。
「誰?」
ガラッと戸を開けると桜が立っていた。
「どうしたの?」
桜「これ、返そうと思って」
「これ…」
桜が私に渡してきたのは私の小刀だった。
桜「あの時はごめんなさい、私どうかしてた」
「…ううん、大丈夫だよ」
私は桜から小刀を受け取る。
桜「……後悔してない?」
「え?」
桜「晋助お兄ちゃんのこと心配なんでしょ?」
「な、なんで…?」
桜「また子のこと言えない位、お姉ちゃんも顔に出てるよ」
会話聞かれてたんだ…
「…」
桜「まぁいいけど…お姉ちゃんも後悔しないでね」
そう言うと桜は部屋を出る。
「心配…か」
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作者名:みかん。 | 作成日時:2019年2月23日 21時