最強と謳われる貴方は愛を知らない (ページ13)

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呪われた贄の子ページ13

Aside

“あの子でしょ？スサノオ様の贄になった子供”

“うちの子じゃなくて良かったわ”

“汚らわしい子”

“ご両親にも愛されなかったんですってね”

“この村の為に生け贄となって死んでくれ”

“貴方が生け贄になって死んでくれたらご両親もこの村の人々も喜んでくれるわよ”

誰からも必要とされない。誰からも愛されない。

私を産んだ親でさえ私を愛してはくれなかった。

冬のとても寒い日、私はスサノオの生け贄、暴神となった。

村長は村の皆が喜んでいたと伝えてくれた。でもそんなのどうてもいい。

『………もう夜になるのね』

此処で眠ればもう何にも苦しめられなくてすむ。辛くなくなる、苦しくなくなる……もう、

『何も考えなくてすむ』

そので私は眠りについた。

だが、その数時間後何故だかとても暖かくて大きな手で撫でられているような感覚があった。

そしてその後声が聞こえた。

誰かが泣き叫びながら命乞いをしていたような気がした。だが次の瞬間、

グチャッ！

何かが潰れる音と共に生臭い匂いが鼻を通った。

次に起きた所は優しいお日様の匂いがした。

目を開けると周りは花畑で私を抱えている青髪の男と私の頭を撫でてくれている金髪の男、手を優しく握ってくれている赤髪の男が居た。

？？「お？起きたのか」

そう言うと青髪の男は私を地面におろした。

？？「この子がバーンズ大隊長が連れてきた姫君ってわけか！」

？？「こら烈火、姫様が怯えてしまいますよ」

姫？誰の事を言ってるの？

？？「バーンズ大隊長から……姫を拾ってきた人に言われたんだよ。花を摘ませに行ってやれってな」

青髪の男は私の頭を撫でて近くに腰を下ろした。

？？「こらカリムもそんな顔をするな」

カリム「うるせぇ、俺は元々こんな顔だ。フォイエンこそ烈火を放っておいていいのか？」

リィ「あ、烈火！待ちなさい！」

賑やかな人達。

カリム「煩くしちまって悪かったな……お、王冠を作ったのか。綺麗に出来てるな」

そう言ってまた私の頭を撫でるカリムと呼ばれた人。

生け贄の私がこんな事しても……あぁ、そっか。

あの人達は村の事と自分の事しか考えてないんだものね。

もうどうでもいいわ、どうにでもなってしまえ！