シアトルで、君と。【カリスマブラザーズ】 (ページ1)

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1 シアトルの朝ページ1

ここはアメリカ、シアトル。

「A、A！！」

ぼんやりとした視界、

どこからか呼ばれている私の名前。

「んもう、何…？」

まだ眠たいんだけど。

もう少し寝かせてよ。

私ははだけていた布団を頭からかぶり直す。

「A！！！いい加減に起きろ！！！」

大声で怒鳴られ、私は思わずガバッ、と飛び起きた。

A「えっ、なになに、何、何事？！」

目の前には呆れ返った顔のジロー。

ジロー「お前いつになったらその寝起き直るわけ」

冷たい目で睨まれる。

A「ごっ、ごめんなさい…」

小さくなる私を見下すジロー。

ここ、カリブラハウスの朝はいつもこうだ。

私が一番寝起きが悪くて、どうしても朝起きられない。

その度にジローに起こされるんだけど…

本気で怒った顔のジローに少し不安になる。

そろそろ愛想、尽かされちゃうかな…

無言でジローは私を見下した後、少しニヤッとした。

ジロー「ヨダレの跡ついてるけど、？」

A「えっ、どこどこどこ？！？！」

焦って顔をこすっているうちに、ジローは笑いながら部屋を出ていった。

よかった、ジローはいつも通り優しい。

私も思わずニコニコしながらリビングへ向かった。