ヤンキーに愛される星の下に生まれました【東京卍リベンジャーズ】 (ページ19)

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九井side

Aが家に入って行ってから7分後

救急車ももう一台来ていて、そこの担架にはさっき何とか壁をつたって来たイヌピーが横たわっていた

イヌピーの姉、赤音さんをおぶってこちらに向かうAの姿が見えた

傷や火傷も沢山あったけれど、やっぱり帰ってきた。約束を守って帰ってきてくれた

そう安堵した瞬間だった

ガッシャーン

＿＿＿え、、？

次の瞬間にはもう、Aは棚の下敷きになっていた

俺はすぐに駆け寄ろうとしたが、それより先に消防隊員が棚を退かしに行った

俺は最後にAがぶん投げて救った赤音さんを安全な所に移動させておくことしかできなかった

ギュッと拳を握って、Aが救出されることを願った

＿＿どのくらい待っただろうか、ようやく助け出されたAの姿はとても悲惨なものだった

体のどこかが潰れているわけではなかったが、所々にガラスの破片が刺さっていて、そこから血が流れていた

頭も、どうやら強く打っているらしい

救急隊員に生きれるのか、生存率はどのくらいか聞く

救急隊「この状態だと、生きれるかどうかも怪しいです。生存率は＿＿20％にも満たないでしょう」

俺は絶句した

だって、そんな急に、、さっきまで、一緒に話していたのに、笑い合っていたのに

なんだかとても肺が苦しくなってきて、激しく咳き込んだ

同時に、地面に着いた手にポツポツと水滴が落ちてくる

それを、涙だと認識するまでにどのくらいかかっただろう

涙なんて、、、物心ついて以来、初めて流した

なにせ、喚くことも文句を言うことも許されず、ただ親の指示通りに行動するだけ

＿＿泣くなんて、勿論許されなかった

けれど、人は悲しくなると泣く、とは知識として知ってはいたが、実際に泣いたことはなかった

物心の付く少し前＿＿人よりも金を稼ぐことに才があると気づいた親が、俺を道具として扱い始めた

情がなんてものがあれば、判断に支障を来す

そう教えられてきたため、友達なんかは極力つくらないようにしていたし、親もつくらせないようにしていた

＿＿けど

あの時、あの砂場で、俺たちは出会った

Aの太陽のように明るい笑顔と優しくも強い声、イヌピーの見た目と行動のギャップに俺は驚かされっぱなしだった

＿＿『こら！ダメでしょ、そんなことしたら！』

＿＿『、、ココ、ココってのはどうよ？へへっ、いいでしょ～』

どうしよう、ダメだ、、、大好きだ