彼の修理屋さん (ページ18)

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怒りページ18

A「 … ！」

「ぐ、軍曹帰ってきてたんですか」

２人の驚きをよそにバッキーは男に怒りをぶつける。

バッキー「俺は物じゃない。写真でも何でも勝手に撮るのは構わないが、それを利用して嫌がってるAを無理矢理誘い出そうとするんじゃねえ」

「すみませんでした、もう二度としません！！」

鉄の腕で男の胸ぐらを掴んでそう言うと泣きそうになりながら叫んで逃げて行った。

バッキーは、自分が利用されたことよりも嫌がるAを無理に誘い出そうとする姑息さに腹が立った。
しかし本当は、他の男と出かけて欲しくない気持ちもあって怒りが倍増していたのだった。

男が居なくなったのを確認して振り返るとぽかんと口を開けているAがこちらを見つめていた。

バッキー「間抜けな顔だな」

頬を引っ張り笑うバッキーは、さっきとは違ういつものバッキーだった。

A「あの、バッキーごめんなさい」

頬を引っ張られて我に返ったAは頭を下げて謝った。バッキーのあんな姿を初めて見たAは、自分にもそれを向けられるんじゃないかと内心怯えていた。

バッキー「ああ、もう釣られるなよ」

優しく頭を撫でてくれるバッキーを見上げると優しい顔で笑っていた。

やっぱりこの人がすきだと胸が熱くなる。
バッキーのその優しさは嬉しい感情と同時にこの恋は叶わないという事実に心が壊れていく感覚がする。

Aがバッキーに抱き付くと優しく背中を撫でてくれる。いつもの心地いい空間に目を閉じる。

バッキー「そんなに俺の写真が欲しかったのか？」

呆れたように笑いながら聞いてくるバッキーに " 欲しかった " と素直に答えると " だからってそのために自分を売るな馬鹿 " と優しく叱られた。