吸血姫は眠りを知らない7 ページ8
「姉さまは僕が殺すんだ！」
「出来れば僕が殺したいんだけどなぁ」
「姉貴はオレが殺してやるって決まってんだよ！」
「何を言ってるのです。僕に決まっているているでしょう？」
Aもヴァンパイアだが、ヴァンパイア特有の死への価値観を理解することは出来なかった。大切な者には傷ついて欲しくないし、大切な者が死ぬのは悲しい。祝福など出来るはずも無かった。が、弟達にとって相手にもたらす『死』は究極の愛の現れ。それ程までに思ってくれているのかと思うと、可愛いと思わざるおえない。
「ふはっ、ありがとね。けど、私を殺すのはこの中の誰でもないよ」
その言葉に対し、口々に誰なのだと詰め寄ってくる弟達の言葉をのらりくらりとかわす。
けどやっぱり、弟達に手をかけさせるのは精神的にくんだよね。別に犯罪にはならないけど
「やはり、シュウなのですか」
そんなレイジの呟きはアヤトらの声にかき消されたのだった。
▲▽▲
次の日の夜、いつもなら遅くまで寝ているシュウが起きる気配を感じ、シュウの元に瞬間移動した。もしかしたら、最近シュウの顔に笑顔が増えた事に関係しているのかと思ったのもある。
「シュウ、どっか行くの？」
「姉様！？」
「うわぅ！びっ、くりした。いきなり大声出さないでよ」
「姉様こそ、いきなり現れないで」
「ヴァンパイアだからしょうがない。それで？シュウはこんな早くにどこに行くつもりだったのかな？」
「...姉様には関係ない」
「ぐはっ、」
シュウの言葉にAは胸を押え地に倒れ込む。シュウを見る。胸を押える。シュウを見る。胸を押える。を繰り返し続け、観念したのかシュウが口を開いた。
「絶対に誰にも言わないでよ。と、友達が出来たんだ......外に」
続く『外に』と言う言葉にAは条件反射で眉を顰める。Aのその表情に、だから言いたくなったのだと、シュウは顔を逸らす。
「ああ、ごめん。違うんだよ」
「何が違うんだ？」
「ベアトリクス様にバレたら大変だな、と思って」
「姉様は軽蔑しないの？」
「当たり前でしょ。シュウの友達に悪い子は居ないだろうしね」
「...」
「そんじゃ、私は二度寝しなきゃいけないから。楽しんできなよ」
Aは去り際にシュウのふわふわの髪を上から押さえるように優しく撫でた。
「── ─」
「...っ、」
歩みの風を切る音で消えてしまう程にか細いシュウの声がAの耳に届いた。
Aは慈愛の笑みをシュウに向ける。
「ふふっ、行ってらっしゃい」
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね！私逆ハー大好物なので嬉しいです！ディアラバのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月17日 21時) (
レス) @page7 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 続きが気になります！更新楽しみにしてます！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: 2d9e53b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
*SSU* - つ・づ・き・が・た・の・し・み♪ (2020年4月28日 10時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆた - つづき楽しみにしてます！ (2020年3月8日 10時) (レス) id: 6c85c6c733 (このIDを非表示/違反報告)
神 - わぁー！ 返信ありがとうございます。応援しています！ (2019年10月10日 21時) (レス) id: 090390c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2019年5月15日 19時
