私は……【青葉城西】 (ページ11)

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波乱 1 ページ11

( ＾ω＾)

A side

母「ほら、起きなさい！！！！！！！朝練あるんでしょ！！？」

……気づいたら朝だった。

『ん……おはよ』

母「はい、おはよう。ご飯と弁当できてるからね」

ありがとうと言って時計を見る。

…………まじか

朝練の15分前だった。

『ごめん！朝ごはんいらない！！』

マッハで着替えて弁当を手に学校へ駆け出す。

なんで寝過ごすんだよ。バカか。

「「「おねぇやーしゃーーっす！！！」」」

ついたと同時にそんな声が聞こえる。

及「あれ～？Aちゃんは～？」

ドアに手をかけたらそんな声が聞こえた。

あ、います！

急いでドアを開けようとしたけど、

波「え～いなぃんですかぁ？っぁ、もしかして、サボり……？昨日だって、風香に仕事押し付けてきてぇ、そのままどこか行っちゃったしぃ……」

甘ったるい声がして、ドアを開けるはずだった手は、重力に抗えずだらりと下がる。

及「え！？そうなの！？」

その及川さんの声に続き、「うそだろ」「まさか、あいつが」とかの声が聞こえる。

いや、ふざけんな。

1年はまだしも、2・3年にまで疑われるとは思ってなかった。
てか、なんでそんな話になってんの。

ああ、あいつか。波切。
みんな純粋過ぎない！？
何出会って2日の子を信じちゃってるわけ？
1年近くの付き合いの私より、そっちの子を信じちゃうんだ？
へー。そっか。

だんだん心が冷えていくのがわかる。
この感覚は、知っている。

……思い出したくもない、あの時の感覚だ。

もう、何もかもがどうでもよくなる。
今まで信じていたものも、信じられなくなって。
結局、信じられるのは自分だけなんだって気づいて。

また、ダメだったな。

諦めるのは早いかもしれないけど、そう思った。

ガラッ

『遅くなってすみません！』

いかにも、今ついた風に入る。

体育館の空気が凍ったのがわかった。

みんな驚いた顔をしている。
まぁ、そりゃそうだ。

『え？どうかしたんですか？』

とぼけてみる。

及「あ、えと、いや。なんでもないよ☆それより、なんで遅れたの？」

『……寝坊、しました。本当にすみません』

頭を下げる。
嘘は言ってないからいいだろう。

及「そっ、か。次から気をつけてね☆」

『はい。すみませんでした』

再度頭を下げて隅に荷物を置き、タオルを取りに行く。

その様子を、部員たちが見ていたなんて、露ほども知らず。