─いらない記憶─【ジャン】 (ページ30)

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「地下室に行くなら俺も行くぞ·····」

『いいや·····見てしまったらもうアニじゃなくなっちゃう·····。』

私は·····人類の仇である巨人といい理解者だったってこと？？
まだアニのこと何も知らないのに·····

「お前はいつもそうだよな···なにかにいつも怯えてるアニの分身のようだ」

『·····』

.

ｷﾞｭｯ
「·····泣けよ」

.

『え、？』

「お前は会った時から壊れちまいそうだったのに、今はもう触っただけ壊れてしまいそうだ」

『···泣きたいけど泣けない、叫びたいけど叫べない·····自分が自分でも分からなくなってしまいそうだから』

「·····何と戦ってるのか分から無くなるぞ、今だけは誰も見てない、俺が·····守るから！！」

姉の存在を知って、自ら蓋をしていたことを知って、兵長のことを恨み、アニが巨人だったことも知り、今はなんのために戦っているのか分からなくなった。

もうほんとに私の人生は失敗作だったと思う───。

けど···もう一度だけチャンスがあるなら、もう一度だけアニと話せるのなら、まだ生きてみようと思う。

『っ·····泣』

「·····お前は頑張ってる」

『、·····』

「戻ってこい·····リヴァイ班から俺らのところに」

.

そう言ってジャンは私をずっと抱きしめてくれた。