苦手だけど憎めない水上くん

課題 ページ9

いつの間にか寝ていたらしい



目が覚めると





水上「あ、起きた」






水上くんが隣にいた。








「水上くん、収録じゃ…」





水上「とっくに終わったよ笑







はい、これ板書のコピーと今日の課題。」






「ありがとう」






私はゆっくりと起き上がった。








水上「インフルならちゃんと休みなよ」






「うん、






そういえば、鶴崎くんが来てくれたよ。」






水上「みたいだね、俺が行くようにお願いしたから。」







水上くんはおかゆを持ってきてくれた。






「鶴崎くん優しいね、久しぶりに会う私を気にかけてくれて。」






水上「うん、まあ、俺がお願いしたしね」






私はおかゆを食べ終わり、ベッドから立ち上がった。








薬飲まないと。






そう思ったら






水上「薬ならここだよ」





水上くんが、コップと薬を持っていた。







「いつの間に。ありがとう」





水上「あんまり動くなよ、悪化するぞ」





「うん、、、でも、水上くんもこんなところいたらインフルうつるよ」






水上「俺は風邪ひいたことないんだよ」








「馬鹿だから？」






水上「馬鹿？どこがだよ」







水上くんのことをこういう風に扱うのは多分私だけだろう。






水上くんに馬鹿なんて言う人いないし、もちろん冗談で言ってるんだけど。







冗談でもそう言える人は多分私だけ。







それくらい、水上くんとは仲がいいという証拠かな。









「水上くん、ありがとう。




でも本当にもういいよ。私寝るだけだから。」








水上「うん、お大事にね。







俺はAが寝るまでここにいる」







「知らないよ、うつっても」









私は目を閉じた。








ただ今日は寝過ぎて寝れない。







水上くんを見ると、気持ちよさそうに寝ていた。






わたしはソファにかかっている毛布を水上くんにかけて、






リビングに行き、今日水上くんからもらった課題をやることにした。









水上くんの板書ノートはとても見やすく綺麗だった。






所々『ここ、注意！』だの『A見落としそうな定理』だのいろいろ書いてあった。







授業中に書いてたのかなと思うと、なんだか微笑ましくなった。









ノートの最後を見てドキッとした。









『Aがいない授業は初めて。寂しいから早く治して』









心臓の鼓動が早まる。






わたしは胸を押さえた。

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