苦手だけど憎めない水上くん

ラーメン ページ3

本郷の通りの帰り道。





あぁ、ラーメンのいい匂いだなぁ。




あっこっちはチャーハンかぁ。




餃子の匂いも漂うし。







水上「最寄降りたら、どっか食べようよ。」







「ちょうどわたしも思ってたところだ」






水上「いやだって、夕飯食べてないじゃん俺ら。」







そういえば。






課題に集中し過ぎて忘れてた。







「俺らって、別に水上くんは帰っても良かったんだよ？」





私が言うと




水上「Aってところどころ意地悪だよねー」






水上くん、ちょっと怒った？







A「ごめ」



水上「だから謝らないのー。」








ごめんって言う前に、水上くんは私のほっぺたを両手で挟んだ。







A「ひゃめてくれる」






水上「へへ、面白い顔してるよ」





「うるさいな」





ほんと、なんだかうざいんだよな。





でも









水上「A、危ないからこっち歩いて」







道路側を歩いてくれる水上くんにキュンとしてしまう。









なんなんだろ、この気持ち。









　







最寄駅の千駄木に着いて






しばらく歩くとスーパーとラーメン屋さん。






今日は作るか、それともラーメンか。








どうしよう。






ラーメン屋さんに行ったら、水上くんも有名人だし迷惑かかるかな。



家で作るの、面倒だけどそうしよ。








A「水上くん、私スーパーよる。」





水上「なんでよ」




A「家で作ろっかな。」









水上「ふーん。」








水上くんは考える仕草をした。






テレビでよく見る姿だ。









水上「じゃあ、Aの家に俺も行く。」




A「はい？」








水上「1人でラーメンつらいもん。つらくないけど。








どうせ俺のことを思って作るんでしょ？







そんな気を使わなくていいけど








久しぶりにAの手料理食べよー」







水上くんは伸びをした。









…バレてる。









A「東大王の人と仲良くなるとこういうデメリットがあります。」





水上「誰に言ってるの」

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