苦手だけど憎めない水上くん

そして ページ26

水上くんが今日私の部屋を出る…



いつか来るとは思っていた。




たった２週間の出来事だった。





私はたった２週間で水上くんに対する考え方が変わってしまった。



というか、変わっていることについ最近気づいたばかりなのに…！



この気持ちをぶつけたい。




水上「どうしたの？さっきからうつむいて。」


大学への通学路。


普段ならおしゃべりな水上くんと話に花を咲かせていたのに。




今日はなんだか気分がすぐれない。







水上「なに、僕と一緒に暮らして…」





”好きになっちゃったとか？”








そう言われるのかと思った。









水上「なにか不満なことでもあった？」






「…へ？」





水上「いや、だって。





やっぱり一緒に暮らして見たら違ったみたいなこと、恋人とか夫婦とかでよくある話じゃん。






今のうちに直せるものは直したい。」








え…。







「それって…






どういうことですか…？」







私は足を止めた。







水上くんはこっちを振り向いた。









すごく照れくさそうに






それでも私の目をしっかりと見て。









水上「Aが好きです。









僕と付き合ってください。」









水上くんが頭を下げ、手を差し伸べている。









「えっ…」







気持ちの整理がつかない。









心臓がドキドキしている。



心拍数が上がっているのが自分でもわかる。







私は心臓を手で押さえて





気持ちを落ち着けた。







そして







「よ、よろしくお願いします…」







差し出されている手を繋いだ。









すると





「わっ！！」






その手が引っ張られて、水上くんの胸に飛び込んでしまった。







「あっごめん、すぐ離れるから…」



水上「離れないで」





水上くんは力を一層強めた。





水上「僕がどんな思いで２週間Aんちに住んでたと思ってんの。








いつ言おうかずっと迷ってたっつーの。









今こうして言えて。





Aの彼氏になれて嬉しいよ。」







水上くんから甘い香りがした。





水上くん、普段香水つけないはずなのに。





私の好きなラベンダーの香りがする。






「私もずっと好きだった。








告白してくれてありがとう。








私も水上くんの彼女になれて嬉しいです」









私と水上くんはお互いに微笑みあって









甘い口づけを交わした。

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