少女剣士の英雄学校その参 (ページ22)

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しかしオールマイトの様子がおかしい。なぜか本気を出していないからだ。

(オールマイトなんで本気を出さないの?)

疑問に思うカナミ。でもすぐに分かった。

(爆豪!)

爆豪がそこにいる。そのままでは確実に戦闘に巻き込まれる。だからオールマイトは本気を出せないのだ。爆豪もそれを理解しているのだが敵が数名いるため行動が出来ない。

(このままじゃあ二人がやられる。お父さんたちはどんな行動していた?人質が近くにいた時、していた行動は?)

カナミは考える。

(あ)

あることを思い出した。クロガネがほんのわずかな隙を作った瞬間、氷の道を一瞬で作ったツララが人質を奪い去ったことを。これをやるなら切島が鍵だ。出久も思いついたのか戦わず助け出す方法があると教える。その鍵が切島だという事も

「お、俺ぇ!?」

本人は自分が鍵だという事に驚く。

「切島」
「栗花落?」

カナミは理由を教える。

「出久が手を出して「掴まって」って言っても爆豪は絶対掴まない。でも対等に接している切島だったら掴むはずなの」
「栗花落さんの説明通りなんだ。切島くん、お願い!」
「…………よし!わかった!」

切島は頷いてくれた。男達は出久が考えた作戦を決行した。

その結果は大成功。出久達も爆豪も無事だった。

ただしオールマイトは…………この日の戦闘により引退することになってしまった。
血まみれでガリガリの姿で……

「次は君だ」

そう言い残して