不器用な彼に恋した私。Ⅴ (ページ17)

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204．私は私。ページ17

カコ「多分、彼は本当に自分でいいのかなとか考えて迷ってると思う
急にAを女性としてより意識してドキドキしちゃってんのよ」

ドキドキ…？
あのお仕事まっしぐらな翔君が…？

カコと私はたどり着いたエレベーターに乗り込む。

…絶対そんなわけない。だって…

カコ「そりゃ、そう思うよ。
初めての体験有無抜きでも、大切にしたいと思う女性ほど
男性は手を出すことが本当にいいのか考える生き物だったりするからね。
どうでもいい女性なら、そんなこと考えないし。」

A「うん…でも、私は…ちゃんと見てほしいと思うし…？」

抱えていた資料のファイルを無意識に力を込めてつかんでいた。

カコ「今日会えるんでしょ、直接伝えなよ」
私は、妙にカコの言葉に納得して、何も言わず頷いた。

・

会議後、昼食休憩に入り、いつもの3人で昼食をとる。
和也「死んでた理由それなのね」
もうカコから事の経緯は伝達していて、まあ伝達するだろうとは思っていたから話が早くて、むしろ説明する時間が省けてよかったと思いつつ。
もう午後を迎える。

翔君がそろそろ、出勤してくる。

時間を意識するほど、腕時計を見る頻度が増えてしまう。

A「し、死んでたって言い方わるいなぁぁ」
和也「迷うんじゃないわよ、迷える子羊よ」

迷ってるから迷える子羊なんでしょうが…
迷わなかったらただの子羊だわ…

カコ「とにかく、お仕事男子は大切にしたいと思うがゆえに
ぎこちなくなってるだけだから、安心しな？」

私はサラダをむしゃむしゃ食らいつきながら、頷いた。
大切にしたいと思ってるが故…
そうだったらいいんだけど・・・・

和也「焦っても焦らなくても、
お互いが繋がりたいってちゃんと思えば、自然とそういう運びになるんだから
そう焦りなさんな」
A「あ、焦ってるわけじゃないし」

以前に大人にしてやる～と言ってた二宮もしっかり戦友らしくなり。
くっついてくれてよかったと、カコの幸せを祈っていたその時。

・

刹那「あ、Aちゃん！」
影山さん！？

華奢な体で駆け寄ってきた影山さん。
刹那「二宮さんもご無沙汰しております…
隣の方は…初めまして…？」
カコ「石橋カコです」

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＞なにかが始まりそうな予感＜
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私は、良からぬ予感を感じていると、
遠くのほうから歩いてくる人に釘付けになった。