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「最高だね！ 経験したことのない体験ができるだなんて！」
「……おい？」
拷問と言われて喜ぶ人間はいないだろう。私以外は。
流石に赤井秀一のポーカーフェイスも僅かに崩れた。
「未知の体験というのは誰にでも興味深いものだろう？ 最悪痛覚を意識から切り離せば良いのだから」
「君は本当に人間か……？」
え、出来るだろ？ と確認する私。赤井秀一はあっさりと「出来るわけがない」と否定した。そうか、出来ないのか。ジンやウォッカやベルモットはできるんだけれどな、あの組織は拷問の訓練でもしているのだろうか。……やりそうだ。
「それにしても、私から情報を引き出してどうするんだい？ 確かめる術はないだろう？」
Twilightである私はFBIにあの組織の情報は渡さないし、愛弟子の彼もまた然りだ。私が《気まぐれ》と評されるように、噂される彼の代名詞は《忠実》。私のゲームを邪魔するような馬鹿ではないのだから。
「あるさ」
だが赤井秀一の声は何かを確信してるようだった。
「こちらには、元組織の構成員の優秀なハッカーがついたからな。もしかしたら君も知っているかもしれない。
《アラック》というコードネームだったそうだぞ？」
――彼はきっと、私が驚くことを期待していたのだろう。
それは一部だけ成功した。
「は？」
自分でも自覚するほど低音の声が放たれた。
赤井秀一が驚いたように瞠目するが、そんなことは構うものか。彼は今、私の地雷を踏んだのだから。
「FBIはあの子を利用する、と言いたいのかな？ 組織を脱けたあの子を、私の庇護下にあるあの子を、まさか《使う》つもりかい？ しかもわざわざ、君たちの事情に巻き込んで」
良い度胸だね、と声だけ上機嫌に、顔は完全なる無表情に続ければ、何かを感じ取ったのか赤井秀一の頬が引き攣った。
「は……？ どういうことだ？」
「どういうこと、か。ふふ……さぁ、どういうことだと思う？ 君たちが私の怒りを買ったということだけは理解してもらいたいね？」
すとんと色が抜け落ちた私の表情とアンバランスな笑い声。誰がどう見ても何かがヤバいと感じ取れるはずだ。それでも落ち着いた声音で返す赤井秀一の精神力は称賛に値するだろう。
それでも私の怒りは収まらないが。
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祝福を貴方へ(プロフ) - ハマっていた当時一番好きな作品でした。懐かしい気持ちになりながら再読。非常に面白い作品をありがとうございます。 (2021年11月26日 21時) (
レス) id: 1da6884cdd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - すごく面白いです。長く続いているので、読みごあります。これからも頑張ってください。 (2017年7月26日 8時) (レス) id: a49300f60e (このIDを非表示/違反報告)
を。 - 白髪の子の設定もう少し簡単にしてほしかったです。長々しくて飽きちゃいました。 (2016年8月28日 0時) (レス) id: 193e3c63af (このIDを非表示/違反報告)
坂佐野 はずみ(プロフ) - 主人公ってかなりのキチガイなんでしょうか (2016年8月5日 23時) (レス) id: 5347212e91 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 凄いですね！いつも楽しく読ませていただいております。難し言葉とかに詳しいんですね！これからも頑張ってください！ (2016年6月30日 21時) (レス) id: 34dd7aa040 (このIDを非表示/違反報告)
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