_18_ ページ18
おもち、やいちゃったの？ごめんね、大丈夫だよ。
ぽかんと口を開けて、何も分かってない顔が私を見つめる。
教えないよ。
少しの意地悪だけ許してね。
諦める代わりに、なんておこがましいにもほどがあるけれど。
まだ、恋心を押し込めている作間くんに、私から少しのプレゼント。
「Aちゃん？」
「うん、涼くん行こう」
静かに隣で待ってくれていた涼くんが笑う。
この笑顔に、沢山救われたことを思い出した。
少し先を歩き始めた涼くんの背中を追いかける。
作間くんよりも、低い背。
作間くんの後ろ姿は何度も、何度も見てきたけれど。涼くんの後ろ姿は初めてちゃんと見た気がした。
それは、彼が隣か私の後ろにいてくれたから。
後ろで見守って、背中を押してくれた。
隣で支えて、倒れないようにしてくれた。
「…大丈夫？」
「んー…なにが？」
「惚けなくていいよ」
そうやってすぐ、甘やかすから。
「…ねぇ涼くん、今日は、サボりたいなーって言ったら、付き合ってくれる？」
みっともなく、声が震えるのがわかった。
それでも精一杯の笑顔を保って、言ってみる。
「行きたい所ある？好きなところ行こう！今日くらいはいいんじゃん？」
涼くんは笑って、何でもないようにそう、言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京本ゆい(プロフ) - このお話、ほんとすきです！afterstoryも楽しみにしてます！ 次回作は3がいいです！ (2018年11月11日 10時) (
レス) id: fb3f28583b (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - ときめきまくりでした。面白かったです。 (2018年11月11日 8時) (レス) id: f6604b4d7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眠り姫 | 作成日時：2018年10月3日 21時
