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Aside
林太郎くんの声がして私たちは声がした方向を向く
林太郎｢うみ｣
うみ｢あぁ…たろー
ちょうど今…連絡しようとおもっ…その子は？｣
｢え…依利奈…？
じゃなくて千明さん…？｣
千明さんを見た瞬間からいつきくんの顔色が悪くなる
千明｢久しぶり
いきなりごめんね
前の学校では同じクラスだったけど…流石に覚えてないよね｣
うみ｢たろーその子実は…｣
千明｢私…後ろの席でね､よくシャーペンの芯…貸してあげてね…｣
いつき｢待って
俺は君と同じクラスだったことないよね？
それに…その出来事はAとだったし…｣
千明｢いつきくんが覚えてないだけだよ
私…地味で目立たないし…いつきくんは人気者だったから
あっ…ほら､放課後に､委員会の資料をホチキスで留めるの手伝ってくれたでしょ？
それから…私が集めた数学のノート…運ぶの手伝ってくれたよね
重かったからすっごく助かったんだよ
あっ…それから私がわからない数学の問題教えてくれたこと…｣
いつき｢それ…俺の記憶では全部違う人なんだけど…｣
｢…だよね｣
いつき｢もう…ストーカー行為をやめてほしい｣
千明｢なに言ってるの？
私はストーカーなんてしてない｣
いつき｢休みの日に俺の家の前で待ち伏せしたり…帰り道…後ろをついてきたりしたよね｣
千明｢それはただ…見守ってただけで…｣
いつき｢そういう行為が迷惑だからやめてほしいんだ｣
千明｢迷惑？
私はただ好きなだけ…それで十分だから…
他の子とは違う…いつきくんに見返りを求めたりしてない｣
いつき｢だからそういうのが気持ち悪いんだって！｣
林太郎｢“気持ち悪い”はひどいんじゃないかな…
この子も悪いかもしれない…
でもいつきくんのことが好きで…｣
｢好きならしかたない？
相手のこと考えられなくても？｣
林太郎｢それは…｣
｢違うよね
千明さんも…林太郎くんも…
好きっていう気持ちだけが先走って…相手のこと考える余裕がないんだよ
押し付けられる方はたまったもんじゃない…と思う｣
千明さんが走っていき…それを林太郎くんも追いかけて行こうとしていた
いつき｢そんなんだから大事なことを見落とすんだよ
恋がいつだって正しいと思ってるなら大間違いだ
その気持ちが人を傷つける…悪にだってなることだってあるんだよ｣
林太郎が千明を追いかけていく
いつき｢言いすぎちゃったかな…｣
｢わかんない…でもこれがいつきくんの本音なんだもんね｣
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作者名：あやっち | 作成日時：2023年10月3日 10時
