《オリオンの刻印》狂った女王 (ページ25)

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不穏な試合ページ25

日本ボールでキックオフ

順調にボールを回していき稲森が単独で攻め上がる

明日人
「豪炎寺さんの分まで…やってやる！」

稲森の前にフォワードのアス・タロトとサル・ガタナスが立ち塞がる

彼らを追い越そうとしたその時―

漢林
「あ、坊やｯ…」

漢林は言い忘れたことを言おうとしたが

明日人
「…えっ！？」

あったはずのボールが稲森の足元から消滅したのだ

漢林
「ﾁｯ…しまった」

気づいた時には先ほどの二人がボールを持っており
走って行ってしまっていた

明日人
「しまった！…でもなんで…？」

疑問を持ちながらも急いで彼らの後を追う明日人

氷浦
「どうした明日人！なにみすみす相手にボールを渡しているんだ？」

直後彼の横を走る氷浦の言葉に衝撃を受けた

明日人
「俺が…？」

そんなつもりはない確かにあの時ボールが消えたのだ

不動
「真面目にやってくれよ」

不動もこう諭すように他のメンバーには明日人が
ボールを相手に渡した、と見えていたのだ

明日人
「あ…は、はい…」

とりあえず謝るも、やはり腑に落ちない
さっきの現象は一体なんだったのだろうか

その時

漢林が明日人へ駆け寄った

漢林
「坊や…」

明日人
「あ、漢林さん！お、俺…あっさりとボールを…
渡したんじゃ、なくて」

ショックを受けなんとか味方である漢林に
俺が起きた状況を説明しようとした

漢林
「えぇわかってるわ」

明日人
「ほんと！？」

漢林
「オーストラリアは何かを隠しているわ
それに対し明日人は引っかかったのよ」

明日人
「え、そうなんですか！？」

漢林
「そう…」

そう言った彼女は顔を顰めた

その時

「ここから先は通さないよ！」

吹雪がアスとサルの前に立ち得意のブロック技
「アイスグランド」を仕掛けようとする

漢林
「早く伝えておこうかしら…」

明日人は漢林へ振り向いた
彼女は冷や汗をかいて悩んでいるようだった
この試合、オーストラリアの何かを知っているらしい

明日人はそのことに対し聞こうとした

明日人
「ねぇ…」

一方

サルが妙なハンドサインをした

吹雪
「！」

呆気にとられた吹雪は立ちすくみ突破を許してしまった

漢林「落ち着いて！シャインサタンズは…」

咄嗟に対峙する漢林が情報について出そうとした

明日人
「あ、漢林さん！？」

サル
「……ﾆﾔﾘ」

オーストラリア選手は漢林を見て怪しく笑った