借り物競争はある意味公開処刑 ページ20
わーわーと校庭に生徒の声が響く。そう、今日は体育祭なのである。
アイドルの卵が何してんだよって思うかもしれないが、彼らもれっきとした高校生だ。体育祭くらいあったっていいだろう。
私は私で、クラスの対抗の競技や個人種目に出たりして、自分の仕事を全うしていた。
『続いての競技は借り物競争です。ルールは簡単、紙に書かれたお題の物や人を、放送部テントまで連れてくるだけ』
自分の応援席で頭からマフラータオルを掛け、放送に耳を傾ける。何でかって？日差しが強いんだよ。ともあれ、次は借り物競争なのか。私は一個前の競技、女子対抗の騎馬戦に出場していて既に疲労困憊である。とにかく女子の皆さんが恐ろしすぎた。なんだったんだあの地獄絵図は…
「見てあれ、凪砂様じゃない？」
「ホントだ！借り物競争出るんだ！」
ぼーっとしていると、どこからかそんな声が聞こえた。なんだって？凪砂さんが？借り物競争に？出るだと？私は黙って一眼レフの準備をした。こんな事もあろうかと持ってきていたんだよ。流石私！すると後ろから聞き覚えのある声がした。
「何をしているのですか、篠崎さん」
「あ、茨くんだ。100ｍ走お疲れ様、ちゃんと見てたよ〜」
「恐縮であります！」
後ろを振り向くと、タオルを首から掛けた茨くんがいた。多分競技が終わってそのまま此処に来たのだろう。今日も見事な敬礼だね、関心関心。
「いや実はね、凪砂さんが借り物競争に出るってそこにいた女の子達が言ってたんよ。だからカメラを構えてみたわけ」
「ご準備が徹底しておりますね。ふむ、此処からだと閣下がよく見えそうですね…、篠崎さん、ご一緒しても？」
「もちろん。隣の席の子、委員の仕事でしばらく帰ってこないから座りなよ」
「それでは、お言葉に甘えさせていただきます！」
茨くんが腰を掛けたと同時に、競技スタートの合図であるピストルが鳴った。急な事に少し驚いたが、視線をグラウンドに向けた。第一走者がお題の書いてある紙に向かって走っていくのが見える。凪砂さんは…どうやら次みたい。スタートラインで軽くストレッチしているのが見えた。そんなところも美しいです。気が付けばカメラを向けて、シャッターを切っていた。横で茨くんが呆れているような気がしたが、気のせいだと思っておこう。
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蒼月°(プロフ) - エルさん» ありがとうございます！更新物凄く遅いですが、頑張ります！！！ (2021年7月2日 0時) (
レス) id: 100244ef32 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - すごく面白かったです！続き楽しみにしてます (2021年6月29日 2時) (レス) id: 519c259dd3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月°(プロフ) - 水斗さん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！仕事の関係もありまして、本当にたまにしか更新出来ませんが頑張らせていただきます！ (2021年5月2日 1時) (レス) id: 5479b67d21 (このIDを非表示/違反報告)
水斗 - このお話とっても好きです！これからも続けて下さい！応援してます！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 276e527073 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月°(プロフ) - kazu-mochiさん» ひえっ…こちらこそ更新遅くなってしまい申し訳ないです…ああああ嬉しいお言葉ありがとうございます…是非是非！！！！もう色々とありがとうございます… (2021年4月24日 23時) (レス) id: 5479b67d21 (このIDを非表示/違反報告)
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