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｢...どうかしたか｡｣
緊張した様子だが自分に話しかける理由が分からず聞けば、頭を下げられた。
｢先程はありがとうございました。副隊長のお手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした｡｣
｢...あ、さっきの。新入りか｡｣
｢はい、ソラです｡｣
ソラにAは気だるげに手を振った。
｢気にするな。助けられたから助けただけだ。...無理なら放置していたしな｡｣
｢そう、ですか｡｣
でも、ありがとうございました。ソラはもう一度頭を下げて、失礼しますと去っていった。
｢ソラは俺が推薦したんだよ｡｣
｢...いつからそこに｡｣
いつの間にか背後で笑っていたキルサはAを見た。
｢ま、実戦の経験値は積むしかないけどな。あいつはお前に憧れてるらしくて｡｣
｢確かに...甘い面はありましたね｡｣
巨人の腕の動き、スピードを読めないのは甘い。だが、うなじを削ぐ角度等は良かった。
｢場数を踏めば、優秀な隊員になってくれるでしょう｡｣
｢今後に期待、だな｡｣
新入りは初期の内は他の隊員が守るように行動する。しかし初期の内は、だ。
これからツバサの件もある。一隊員として行動して貰わなければならない。
｢...情報収集はどうなりましたか？｣
｢あと少しだ。...A、手伝ってくれるか？｣
｢はい｡｣
＊＊＊
余り大きなものは運べないが、分担して荷物を持ち、帰ることにする。
日が傾き始め、影が長くなってきた。巨人も動かなくなる時間帯に入っていく。
｢撤退するぞ。村に帰るまで気を抜くなよ｡｣
キルサが一番に、森に入っていく。Aが、他隊員が続いた。
黒い翼の鳥が、森の木々を駆け抜けていく。
空が赤く染まる頃、壁探索隊は村に帰還した。
｢姉ちゃん、お帰り！｣
彼らにとって、一番大切な場所。大切な人々がいる場所。
真っ先に抱きついてきたカイルに、Aは小さく笑った。
｢...ん。ただいま｡｣
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ミラージュミラー - まだ、読んでくださっている方ありがとうございます。そろそろ更新再開したいです... (2020年11月4日 16時) (
レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - すみません、暫く更新遅くなりそうです。( ノД`)… (2020年4月19日 14時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミラージュミラー | 作成日時：2020年4月12日 14時
