能力 247 ページ49
.
ぐわん、と
ゆれる。
ぐらん、と
ふれる。
がらん、と
くずれる。
お前はいつも、一人だろう?
_____違う
お前の周りはいつも暗い。
____違うッ
お前の周りのヤツはいつも消えていく
___違うッ!
お前が笑える日など、ないんだよ
__そんな、そんなはずないッ!!!
何が違うと言う。
なぜ
流れも、選択も、運命も、すべて全てお前自身の意志だ。
____あぁ、
人には常に希望という光が与えられている。
おまえがその光を守りたいと願うなら、
その希望に縋り、闇に溺れてゆけ。
道はそれしかないのだから。
_____ああ、それは
「それは、とても悲しいね」
聞こえるはずのない、彼女の声が聞こえた。
_______________
___________
_______
「はっ、、ぁ………?」
掠れた呼吸で大きく息を吸うと同時に、意識が奥底から浮き上がる。汗をびっしょりとかいたのだろう、冷たいシャツが肌に張り付き気持ち悪い。
先程まで採光で明るかった天井は既に薄暗い。赤葦はそんな壁を見つめながら、何とか記憶を思いおこす。どうやら生徒会室から購買に寄り、自室に戻って寝てしまったらしい。
苦しい息と渇いた喉に嫌気が差しながら、だるい身体を起こす
嫌な夢を見た。内容は覚えてない。
ただ苦しくて気持ち悪かったのに、最後何故かとても驚いたのを印象としてまだ僅かに覚えている。だが所詮は夢、それももう薄れてきている。
ベッドから立ち上がり、キッチン横の冷蔵庫から先程買った水を取り出し、口端から溢れるのも無視してがぶがぶと飲みほし、喉仏が上下する。
「……はぁ」
軽く口をぬぐいながら、ため息をこぼす。
冷蔵庫にマグネットで貼られたカレンダーを見る。
今日の日付から約二ヶ月後、10 / 25 の場所には赤く丸がされている。その日は能力大会、赤葦は自作用型能力者でありながら生徒会代表及び梟谷代表として出場が決まっていた。
剣術大会はかなり戦績が悪くで終わってしまった。
だから今回で巻き返さなければ、赤葦はそう強く意気込むと、水をしまい風呂へと向かった。
.
1177人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです!友達にもおすすめしちゃった!! (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています!最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました!次回作、本当におめでとうございます!!とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています! (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ