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能力 242 ページ44

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及川は焦りと困惑に汗を滲ませながら、呼び出された生徒会室に向かっていた。億劫な気持ちを表すように、コツコツと鳴る自分のローファーの足音が次第におそくなる気がした。


「(ああ、嫌だ。どうせろくなことじゃない)」


白裏が生徒会長である生徒会に入ってから、もう何度と呼び出された。設営、運営、裏方の仕事。彼女自身も仕事をしてはいるが如何せん一人の仕事量が半端じゃない。

部屋での徹夜は勿論、日付変更間際まで校舎に残ることもあった。あまりの仕事量に情けない話、どうして俺がと泣きそうになったこともある。




「(そういえば、能力大会の後はすぐに学年末か)」


現実逃避がてら考える。

以前より自習時間も満足に取れなくなった。
それでも、学年一の座は絶対に誰にも譲りたくなくて、出題範囲や傾向の方に力を入れつつ猛勉強した。これはきっと、リーダーとしてのプライドだろう。



そしてついに生徒会室の前まで到着してしまう。



「ふーーー…………」


軽く深呼吸をして、覚悟を決めてドアを開く。
ガチャリと重いドアを押し開けるとそこには白裏以外の生徒会メンバー、牛島と赤葦君。そして天童と木兎の姿もあった。
そこに白裏の姿はまだない。


「………天童にぼっくん?珍しいね」


素直にそう言うと、二人は元気そうに答えてくれる。
赤葦君と牛島は " いつもの " だが。


「俺たちもお呼ばれしちゃったんだよねー!」

「ヘーイ!及川遅いぞー!!」


だが、この時期にこのメンバーを呼ぶ。となると、、やはり能力大会のエキシビジョンマッチの話だろうなと予想がつく。

まあ、天童とぼっくんを選ぶあたり、各個撃破か力押し感が否めないが。



その時、再びガチャとドアが開く音がした。
部屋にいたみんなが視線を向ける。


そこには勿論、白裏の姿があった。



「あら、みんな来てたんですか。早いですね」


満更でもなさそうに言う。遅れてきたら怒るくせにと内心思いつつ、笑顔で黙っておく。


「カエちゃんの頼みだからね〜!ダッシュで来たよ〜!」

「そうですか」


天童が減らず口を叩くも、軽くスルー
彼女は生徒会長席に座ると、すぐ本題に入った。



「ここに来てもらったのは他でもありません。来月行われる能力大会の目玉、エキシビジョンマッチで、あなた方には本校舎生徒代表として出場して欲しいのです」



お願いという名の脅迫。


じわり、じわりと、
冷や汗と寒気が背筋を通った。




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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです!友達にもおすすめしちゃった!! (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています!最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました!次回作、本当におめでとうございます!!とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています! (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇‍♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年9月27日 15時

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