【HQ.能力パロ】話をしよう 第五部

能力 216 ページ18

(月島・白布チーム)




｢んで、俺は人助けから戻ってきたら、これかよ｣

｢僕は止めましたよ｣

｢まーまー、頑張るしかないよ。面倒だけど｣


上から白布、月島、角名
彼らがAから言い渡されたのは告知及びステージや出店の運営計画と費用計算である。どれも面倒なものを丸投げだろう！頭を抱えたくなる。


Aからは、｢君たちは頭もいいし機転も効くから、期待してるよ！｣と言われた。白布は軽く奴をどつきたくなった。


｢ま、やる言うからにはやるしかあらへんな。とりあえず頭動かそか｣


そう言って彼らに困ったような笑みを向けるのは稲荷崎の大耳だった。隣にはお茶の乗ったお盆を持ってきた戸美の先島の姿もあった。


｢……………頑張ります……｣


大見の言葉に角名は素直に首を縦に振る。月島も仕方なく頷いた。しかし、白布はなかなか眉間の皺が薄れない。


｢不満か｣

｢………不満、ですよ。だって、祭りなんて、そんな突然言われてできるものでもないし………それに｣

｢……でも｣


この祭りに意味なんてあるのか、そう聞こうとして、大耳に言葉を遮られた。


｢お互い、ケジメつけるためにも、こうやって形にするんは大事やと思うけどな｣


大耳のその言葉に白布は思わず黙り込んでしまった。
言葉の重みが違うと思った。生きてきた年数も踏んできた場数も多分足元にも及ばない。そんな彼の言葉に反論できるほど、白布は大人ではない。


ケジメ
戸美にとっては今回の事件のこと。俺たちは依頼のこと。稲荷崎にも何かしらケジメがあるのだろうか。


｢……分かりました｣


白布は静かにそう答えた。すると彼は僅かに笑う。


｢ありがとうな｣





.






｢それで、Aからの計画書なんですけど｣

｢……マジで言ってる？｣


その内容に白布と月島は思わず額を抑えた。これを手作りステージでやるのか？？？馬鹿だろ。


｢これまた、えらいことになりそうやな｣

｢見てみたいとは思うけど、出来るの？これ……｣


大耳と先島もその内容にはさすがに驚いた。
確かにこれを実現すれば大幅なコストカットが期待できる。が、白布からしてみればこれはかなり厳しい。


｢でもまぁ、出来れば人も集まりますね……これは｣


だが、実現が厳しいと同時に、出来さえすればかなりの集客が望める催しでもあった。あいつにコレの許可は取れるのだろうか。


いや、これは取って貰わなきゃ困る。
白布はそう思いながらペンを動かした。




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