能力 210 ページ12
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洞窟にいる人達に一言いってから一度外に出て、日記をパラパラと飛ばしながら読む。そして最後のページ………昨日の夜書かれたであろう文を見てドキリと心臓が鳴った。
くるしいの文字は酷く歪み、それは明らかな後悔であった。このままでは、この日記の筆者は間違いなく壊れるだろう。
｢…………こいつ｣
苦しいのに、辞めたいのに、それをも塗りつぶす信仰の念。彼は余程大将という男を慕っているのだろう。だからこそ、辛くても辞められない。そして、突き進んで戻れないところまで来てしまったのだ。
白布はこの日記を読んで、あの神社で感じた、悲しく心臓が絞られるように締め付けられ胸が苦しい感情はこの筆者のものなのだろうと理解した。
あぁ、これが、これが、後悔。
苦しくて辛くて、思わず泣き叫びたくなるような、そんな感情を持ってしても、彼は解放されない。
なんとも残酷だろう。
｢……………あぁ、くそっ！！｣
白布はそう吐き捨てると、日記を手に蛇たちが渦巻く道とは別の道から先程まで自分が戦っていた場所へ走り出した。
何故かは分からない。だがそうしなければ取り返しのつかないことになると思ったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこまで話すと、白布はふぅーーと息を吐いて、大将の方を見た。
｢これが全部だ。お前が大将ってやつだろ。………お前、自分が何やったか分かってんのか。神様なんだろ。｣
｢………｣
白布の言葉に何も言えない大将。
だが、すぐに潜が声を上げた。
｢大将様は、悪くない！勝手に動いたのは俺だ、全責任は俺にある！｣
｢潜……｣
｢だから、大将様を責めないでくれ……頼む｣
潜はそう言って頭を下げた。その場にいた人々は驚いた顔で彼を見て、なんとも言えない空気が辺りを漂う。すると大将が重い口を開いた。
｢俺が、悪かったんだ。………俺が人の子に想いなど寄せてしまったから。そして摂理を越えようとしたから。だから、潜は悪くない。｣
｢大将様！｣
お互い彼は悪くない自分が悪いと言い合う
すると、その重い空気の中で一際軽い声が響く。
｢なら、罰を与えましょう｣
そう発言した少女に皆の視線が突き刺さる。だが彼女は気にする様子もなくニコリと笑うと、こう続けた。
｢間違えることは別に悪いことじゃない。でも繰り返すことがないように。なら、約束を繋げばいい。｣
そう笑う彼女にはどんな最後が見えているのか。
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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (
レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです！友達にもおすすめしちゃった！！ (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています！最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました！次回作、本当におめでとうございます！！とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています！ (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！めちゃくちゃ嬉しいです！！！ (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)
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