検索窓
今日:44 hit、昨日:32 hit、合計:219,728 hit

能力 158 ページ9

.





岩泉は「う"ぅ………」と項垂れた声を上げるAを見ながら、もしかして……と彼女に問いかける。


「お前、もしかして魔力慣れしてないのか?」

「あ……はい。てか放出?したのが初めてで………おあっ、まって、その手を下ろしてっ!!!」


Aの言葉を聞いて岩泉は無意識のうちに右腕が顔の横まで持ち上がった。その腕には血管が浮かび力強く拳が握られていた。
彼女はその腕と怒りに満ちた岩泉の顔を見て青ざめながらも必死に止める。

あの鉄拳を食らったら絶対リバースする自信がある。




「お前、確証も無いことするんじゃねぇ!」

「すみません、それは反省してます。軽率な行動だったと思います。」


岩泉の怒鳴りにAは否定せず素直に認め反省した。怒鳴った本人である岩泉も彼女の素直な姿に少し驚く。

しかし、Aは何とか真っ直ぐ立つと、
じっ……と岩泉の目を見た

心の奥まで覗くようなその目に、岩泉は身構える。


「でも、岩泉さん。私がああしなかったら私たちに " 自分を置いて逃げろ " って言おうとしてましたよね。違いますか?」

「………だったらなんだ」

「岩泉さん、自己犠牲は美徳じゃない」


少なくとも、あの時岩泉がしようとしていたことに、Aは同意しなかっただろう。怒りさえ覚えていたかもしれない。


「岩泉さんの " 私たちを逃がし仲間を呼んできてもらう " という案に私は絶対首を縦に振りませんから」

「………」

「岩泉さん、あなたには仲間がいる。信頼している相棒もいる。だから、自分のことを大切にして下さい」



その言葉に岩泉は言い返せなかった。
そして、彼は僅かに視線を下げてこう言った



「………済まなかった。」





岩泉の謝罪を聞いてAはパッと明るく笑う
そして、先程の心の中を覗くような目は一瞬で消え、安心するような笑みが目の前にはあった。


「分かったならいいんです。さっ、一度ここを離れましょう。」


そのあまりの変わりように、岩泉やその他の人たちも面食らったように固まるも、すぐに動き出した




.

能力 159→←能力 157



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (373 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
713人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました!続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い!続き気になる!それ故語彙力無くなる!すんません!更新頑張ってください!次も待ってます! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです!次も待ってます! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - うおーー!久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります!無理せん程度に頑張って下さい!楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです!更新頑張ってください!! (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年4月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。