【HQ.能力パロ】話をしよう 第四部

能力 186 ページ37

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｢そんなことが、あったんか……｣


しん、と静まり返る和室で北がそう呟く。その話を共に聞いていた狐の方々も難しそうな顔をして黙り込んでいた。

あの後Aと岩泉は、北の質問に答えるべく経緯を話そうとしたところ、北の仲間狐たちも話が聞きたいと大きな和室に通された。



そこでAと岩泉は今までの事を全てを話した。



この村で多数の行方不明者が出ており、それをどうにかして欲しいと依頼が来たこと。

下の村で蛇の神社のことや、獣の人間の噂を聞いた事

Aたちは、その崖近くで蛇の大群に襲われその殆どを倒したものの、残党に隙を突かれ二人揃って崖から落下したこと。

その下で宮侑と宮治に出会い、ここに連れてこられたこと


それらを話した



｢蛇に襲われた……か……｣


Aたちの話を聞いてそう口を開いたのは狐たちの中では一際異色な黒い肌を持つ、尾白アランであった。


｢何か知ってるんですか？｣


岩泉がそう言葉を向けると、アランは少し罰が悪そうに眉を顰める


｢いや、知ってるも何も、この辺の蛇は全部戸美神社の使いやからな………｣


戸美神社と聞いてAは身を乗り出す


｢戸美神社……もしかして、あの蛇の神社？｣

｢せや、この地を長年納めとる神様や｣


アランはそう返す。それを聞いてAは僅かに手に汗を握る。そうなると、今回我々が相手にしないといけないのは神様というわけか？
もしそうなら、分が悪いどころの話ではない。


神様が相手なんて、勝ち目など無いに等しいじゃないか


軽い絶望がAを襲う


｢……………｣


岩泉もその事実に気づいたのか、口を閉ざし黙り込む
その様子を見て狐たちもかける言葉を無くした



しかし北の発した言葉に、軽く絶望していたAと岩泉は勿論のこと、その場にいた他の狐たちも驚きの表情をしていた




｢なら、みんなで行ってみるか？＿＿＿＿戸美神社。｣





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