能力 180 ページ31
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刀に向かって「去ね」と言う侑。そんな彼に驚くAだったが、彼女と岩泉以外の狐たちはその意味を理解しそれぞれの反応を見せていた。
「そこまで言うことないやろ、阿呆」
「はぁ!?こんなに嫌悪感丸出しにされれば誰やってムカつくやん!?」
「いや、分かるけど喧しいわ」
双子の狐はそんな会話をしながら、私の短刀を見る
しかし、その何も見えない感じないA達にとっては何が起こっているのかさっぱりである。
すると北は言い合いをする双子と目を白黒させるA達の様子を見てクスクスと笑う。その様子に侑は機嫌を損ねたように言う。
「な、何がおかしいんですか!北さん!」
「ふふふっ、いや、おもろい反応するなと思ってな……A、ちょっとその刀借りてもええか?」
「え、刀ですか?」
「あぁ、なに、別に乱暴に扱ったりはせぇへんよ、ちょっと話したいことがあんねん」
「は、はぁ……分かりました」
Aは話したいこと?と疑問に思いながらも、それを口には出さず素直に短刀を北に差し出した。
北は黄色と黄緑のグラデーションの鞘に収まった短刀を大事そうに受け取ると僅かに微笑んだ気がした。
「おおきに………」
北はそうお礼を言うと、刀を両手で持ちながらゆっくりと目を閉じた。一体何をしているのだろうか?
「あの、北さ……」
「A」
Aが北に話しかけようとしたら、咄嗟に侑がそう声で制す。その棘のある声から、今北に話しかけてはいけないのだと容易に理解出来た。
そして私含めた双子と岩泉の四人は、静かに北のそれが終わるのを待っていた。
そして3分ほど経ち、北がゆっくりと目を開けた
「……あっ」
北が目を開けたのを見て、岩泉が小さく声を漏らす。
すると治がゆっくりとした口調で北にこう問いかけた。
「北さん、話せましたか」
その問いに北は僅かに頬を緩めると、優しい声で
「あぁ、ちゃんと話せたで………ちゃんとな」
そう言った。
その言葉を聞いて侑と治も安心したような表情を見せる。しかし反対に状況が一切掴めていないAと岩泉は頭の上に何個もの疑問符を浮かべていた。
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空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました!続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い!続き気になる!それ故語彙力無くなる!すんません!更新頑張ってください!次も待ってます! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです!次も待ってます! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - うおーー!久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります!無理せん程度に頑張って下さい!楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです!更新頑張ってください!! (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
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