能力 178 ページ29
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しばらくして頭の痛みも引いたのか、岩泉はAに色々と話を聞いた
「………つまり、この狐たちはAのばあちゃんの知り合いだったって訳か?」
「そう……なりますね。」
「マジかよ」
岩泉の反応に流石のAも同意した。
何十年も前に別れた人の孫にこんな離れた所で出会うなど、偶然……いや奇跡と言った方がいいかもしれない。
「それにしても、流石に崖から落ちたのはびっくりしたな」
岩泉のその言葉に、Aは真剣な顔をする
「岩泉さん」
「ん?どうした?」
「……ありがとうございました。本当に、本当に、私を庇ってくれて、私を守ってくれて、ありがとうございました。」
彼女はそう言って正座したまま、深い深いお辞儀をした。岩泉は突然のお礼に驚き目を見開くも、すぐに落ち着いた声で「おい、顔上げろ」と優しく言う。
Aは岩泉の声を聞いてゆっくりと顔を上げる
「……」
「別に、俺が勝手に守ったんだ。お礼を言われるようなことしてねぇよ。それに、結局俺は怪我して意識飛んでたし……お礼を言うのは俺の方だ。」
「そんなことっ!」
「そんなことあらへんやろ」
岩泉の声に言い返そうとした時、突然北が口を開く。
岩泉やAは勿論、その場に居た治も驚いたような表情で北を見つめる。
「例えそれが咄嗟だろうと故意だろうと、お前がAを助けよう思うたんは事実。それは充分褒められることや。自信持ちい。それにな、他人からの感謝を受け取らんのは凄く失礼なことやで。」
「………はい。」
岩泉は北の言葉にそう返す。やはり北さんは凄く雰囲気がある。これも九尾の力なのだろうか?
その時、少ししんみりとしていた空気をぶち壊すかのように、襖がスパァンと気持ちいい音を立てて開く。そして、その場にいた四人が驚いた表情でそちらに視線を向ける。そこには……
「おった!北さん!!………って、なんで自分がここに居んねん!?」
「……えっ?あ、双子の……侑さん……ですか?」
「なんで俺の名前知っとんねん!!」
「あっ、忘れとったわ」
そこには今まで北さんを探していたであろう、治の双子の狐である侑さんが立っていた。Aの顔を見るなりその端正な顔をこれでもか!と歪める。一方治は、侑のその様子を見て「やべっ」と言葉をこぼす。
しかし問題はそこでは無い。
一言でいうと、北さんが侑のその態度に激おこプンプン丸なのだ。
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空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました!続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い!続き気になる!それ故語彙力無くなる!すんません!更新頑張ってください!次も待ってます! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです!次も待ってます! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - うおーー!久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります!無理せん程度に頑張って下さい!楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです!更新頑張ってください!! (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
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