能力 174 ページ25
.
｢最も残酷で最も美しい一族……どうゆうことですか？｣
言葉の意味が分からず、聞き返すA
北は少し言葉を考えると答えてくれた
｢………千代も、勿論お前も、相手のことをジッと見つめるその目は、相手にとっては心の中を覗き込まれる様な恐怖があんねん。まぁ、心が読めるわけやないのは分かっとるけどな。｣
その言葉を聞いて、Aは前、及川に言われたセリフを思い出す。そういえばあの事件の時、彼は涙を流しながらこう訴えていた。
｢…………前、友人と言い合いになった時、こう言われたんです。｢お前は何よりも恐ろしい。どれだけ避けていても、直ぐに人の心の一番奥まで踏み込んでくる。君が自分の心の醜い部分を見つけるのが、心の底から嫌だ」と、………それも、何か関係あるんですか？｣
｢………せやな、むしろ、そいつはお前の力にやられたんやろう｣
そう言われて、Aは及川に申し訳なく思った
無意識だったとは言え、酷いことをしたと思う。
｢何故残酷か………それはな、人は真の心の中を覗かれたら最後、立ち直れないほどのショックを受ける。それはどんな拷問よりも辛く極刑で、自分の真意を見抜かれるってのは何よりも残酷なんや。｣
｢………っ｣
その言葉を聞いて私は言葉を失う。Aは自分の力に、自分のしてきたのことのあまりの残酷さにやっと気づいたのだ。
あぁ、あまりにも自分は無責任だった。
｢………｣
｢でも、お前は誰かを正すことを辞めたらあかんで｣
｢……え？｣
意味が理解できなかった。
すると北は僅かに微笑んで言葉を続ける
｢お前の力は残酷なだけやない、その美しさの裏にある優しさが大切なんや｣
｢……何故美しく優しいんですか？｣
｢さっきも言うたやろ、お前は " 言葉を操る " ってな。言葉ってのは、人から出てくるモンの中で唯一、美しいものやろ｣
｢………あぁ｣
彼の言葉に一瞬固まるも、意味を理解して思わず感心した。人から出てくるもの、それらのほとんどは人の元を離れると汚いと思われるものが多い。でも言葉や考えだけはいつまでも綺麗で美しく残るのだ。
｢その美しさの中にある、お前らの馬鹿みたいな優しさで、相手を立ち直らせ背中を押す。それがお前らの力の使い方や。………まぁ、お前は無意識のうちに使っとったみたいやけどな｣
｢……そう、ですね。｣
馬鹿みたいな優しさ……か。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 713人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました！続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (
レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか？ - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い！続き気になる！それ故語彙力無くなる！すんません！更新頑張ってください！次も待ってます！ (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです！次も待ってます！ (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか？ - うおーー！久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります！無理せん程度に頑張って下さい！楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです！更新頑張ってください！！ (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
