能力 169 ページ20
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「まず、そいつはツムが見つけた侵入者でした。ツムは報告に、あとから来た俺はそいつを見張ってたんです。でもこいつ北さんと似た匂いがするんです。俺は鼻が利きますから、間違いありません。」
「………」
北さん……もとい目の前で氷の視線を向ける彼と自分が似た匂いがするとは一体どういうことだろうか。Aは黙ってはいたが、今すぐにでも治を問いただしたい衝動に駆られた。
「それに、こいつ、刀を持っとるんです。形も変わって霊力も弱なっとるけど、多分その刀…………
「刀工は?号の名はなんや?元々誰のや?今すぐ答えろ、嘘なんてつこうと思うな。」
「……っ!?」
治が井闥山と口にした瞬間、北はAの両肩を力強く掴み、顔を近づけ怖い顔で問い詰める。突然過ぎて流石のAも声が出なかった。
「……北さん、落ち着いてください。ゆっくり聞きましょう。」
「………せやな、わかったわ。タダで話聞くんもアレやし、治、そいつに治癒術掛けてやり」
「はい」
トントンと話が進むのをAは見てる事しか出来なかった。
「さっきはすまんかった。取り乱してしもうた。…………それで、少し話したいことがあんねん。ええか?」
「………構いません……けど……」
「あの男のことなら安心せぇ。ああ見えても治は一番治癒術が得意や、完璧に治したる」
「……それ、なら良いんですけど」
Aは歯切れの悪い返事をしながら、岩泉を背負ったまま隣の個室へ向かう治を見ていた。
それに彼らは先程から " ○○術 " と言っている。これがどうしても引っかかる。それは能力のことなのだろうか?
また、北と治は刀について色々知ってるみたいだった。もしかしてこの刀も何か関係があるのだろうか?
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Aはお社の中に通された
外から見た建物の大きさとは明らかに違うくらい部屋数がある。これも能力なのだろうか?
そして客間と思われる部屋に通され、北とAは机を挟んで正座する。
無言であまりにも気まずい中、黒髪に細目のこれまた獣耳と尻尾の生えた男性がお茶とちょっとしたお菓子を運んできてくれた。
「どうぞ」
「ど、どうも………」
あまりにも静かで、湯のみが机に置かれる音がやけに大きく聞こえる。
「おおきに、角名」
「いえ、それでは失礼します」
茶を置き終えた彼……もとい角名に北はそうひと声かけ、角名は静かに部屋から退出した
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空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました!続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い!続き気になる!それ故語彙力無くなる!すんません!更新頑張ってください!次も待ってます! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです!次も待ってます! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - うおーー!久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります!無理せん程度に頑張って下さい!楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです!更新頑張ってください!! (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
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