能力 151 ページ2
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「あの、少しお話よろしいですか?」
「……ん?私?」
「はい、ちょっとお聞きしたいことがあって……」
「えぇ、私でよければ」
一度手を止めておばあさんはそう言って微笑む。
それを見て一瞬だけ私の祖母とその姿が重なった。
そういえば、私の祖母もよく笑う人だったな。
「この辺りに伝わる不思議なお話?」
「はい。なんでもいいので、知ってることがあれば教えて欲しいんです。」
彼女の質問を聞くと、おばあさんは驚いたような顔をした後、ふふふ……と笑った。
「へぇ、今どきの子がそんなこと聞いてくると思わなかったわ。えぇ、一つ思い当たるものがあるから聞いてちょうだい。……ほら、お外は暑いでしょ?中にお入り」
「あ、ありがとうございます」
「アザっす!」
そして促されるまま家に上がらせてもらい、居間に通されるとお茶を出してもらった。Aがソレに一口くちをつけるとおばあさんが口を開いた
「それで、この辺りに伝わる伝説みたいなのを聞きたいのよね?」
「はい」
Aの返事に、彼女は落ち着いた声でゆっくりと思い出すように話し始めた
「この村はね、昔から蛇を祀っているのよ____」
おばあさん……もとい美華さんの話によると、この村は山に囲まれており農業が盛んなため、昔から害獣であるネズミやモグラを食べてくれる蛇を大切にしていた。蛇を村の神様として祀り、その歴史はとても長いのだそう。
そして年に一度、夏の時期にこの村で取れた新鮮な野菜を神様へお供えするのが昔からのしきたりだという。
蛇とは、本当に色々な運をもたらしてくれるらしい。
蛇の抜け殻を財布に入れとくと金運が上がると言われるように、蛇の事を
金運、出会い運、恋愛成就などの幸運をもたらしてくれる。
「一番大きな山のてっぺんにね、その蛇様を祀ってる神社があるの。とっても立派で大きな神社……」
「へぇ、今年もお供え物をされたんですか?」
しかし、美華さんはAの言葉を聞いて少し顔を曇らせる。その変化を彼女が見逃す訳がなく、直ぐに口を開く
「………何かあったんですか?」
美華さんは少し口を噤んだものの、寂しそうに話してくれた
「……それがね、今の村長、、、前の村長の息子が村長になった年から、お供えすることが禁止になってしまったの」
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空閑(プロフ) - 面白すぎていっきに読んじゃいました!続き楽しみにしてます (2020年9月28日 5時) (レス) id: 3bb5fe966c (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 久し振りの更新!!!!ありがとうございます!!!!面白い!続き気になる!それ故語彙力無くなる!すんません!更新頑張ってください!次も待ってます! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
KIKU(プロフ) - 好きなジャンルのものが続いてると嬉しいです!次も待ってます! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 7c9d0c9043 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - うおーー!久し振りの更新ありがとうございます!!!!何ゆえ3人は襲われとるんや!?しかもヤバそう!?すっごく続き気になります!無理せん程度に頑張って下さい!楽しみに待ってます!! (2020年9月6日 20時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 今まで読んできたハイキューの小説の中で一番面白いです!更新頑張ってください!! (2020年8月31日 22時) (レス) id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
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