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第八話 起きろ ページ26

《第八話 起きろ》



これは僕が小学校中学年の時の話。


その日、僕は高熱を出して学校を休んだ。

父は夜まで仕事、母はどうしても外せない用事で昼過ぎまで帰って来れず、家で一人寝ることになっていた


「蛍、熱大丈夫か…?」

「んんー、、大丈夫……ゴホゴホッ」


心配そうに僕の事を見つめる兄ちゃんに少しでも安心して欲しくて力なく笑いかける


「うぅ……俺も学校休んで一緒にいてやりたいのにぃ………」

「馬鹿な事言ってないで早くご飯食べなさい!」

「うぅ……」


兄ちゃんの呟きもお母さんの一言にバッサリ切られ、兄ちゃんは泣く泣く俺の側から離れ朝ごはんを食べ始めた

僕はお母さんの作ったお粥を少し食べて、薬を飲んで布団の中に潜る。


お母さんがおデコに貼ってくれた冷えピタが冷たくて気持ちいい。


すると、父と母が "すぐに帰ってくるからいい子で寝ててね" と言って心配そうに言った後2人は兄ちゃんより先に家を出た


暫くして、兄ちゃんが部屋に入ってきて俺のベットの傍にやって来る


「蛍、大丈夫か?お兄ちゃん今から学校行ってくるから、安静に寝とくんだぞ??」

「大丈夫だよ、お母さんもすぐに帰ってくるし、、行ってらっしゃい」

「…そうだな、、行ってきます」


そう言って部屋から出ていく兄ちゃん
遠くで家の扉の鍵が閉まる音が聞こえる





兄ちゃんが家を出てから20分位経って、中々寝付けず何度も寝返りをうったりぼーっとしていた時だった




ピシッ!!と効果音がつくようにいきなり体が動かなくなった


「……!?」


熱で少し頭がぼーっとするが意識はハッキリしてる。でもいくら動かそうとしても体は一切動かない

何とかして声を出そうと試みるも、掠れて何も出なかった


唯一目だけが動かせる
僕は周りをキョロキョロと見渡し、何か変化がないか探す



その時だった






____ガチャッ………







誰も帰ってくるはずのない家のドアの鍵が開く音がして、



「ただいま〜」



そう陽気な兄ちゃんの声が聞こえた



俺はパニックになりながらも考える

なんで兄ちゃんが家に帰ってきたの?学校があったはず、、、もしかして戻ってきてくれた?いや、兄ちゃんがそんな事する訳ない。


それに、今兄ちゃんはいつもの様に " ただいま " と言った


万が一僕が心配で戻ってきてくれたとしても、きっと "蛍、大丈夫か!?" みたいに慌ててると思う




じゃあ、あの兄ちゃんは……ニセモノ?





.

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設定タグ:ハイキュー , ホラー , 及川徹、菅原孝支、黒尾鉄朗   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 色の本シリーズの作品作ってる方初めて見ました!更新楽しみにしてます! (2020年4月2日 14時) (レス) id: ca10bf24cf (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きな甘党 - 色の本シリーズこの間図書室で見つけて読みました!面白かったです! (2019年11月17日 17時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
青兎 - ホラーがものすごく怖いのに続きが気になって見てしまう〜!! (2019年8月22日 14時) (レス) id: d50d29b004 (このIDを非表示/違反報告)
なーな@きゅうり(プロフ) - やばいめっちゃ怖い(私もホラーダメだけど見たw) (2019年8月21日 13時) (レス) id: 3e3ede44b2 (このIDを非表示/違反報告)
みぃむぅ(プロフ) - あぁ怖ァあ!!(ホラーダメなのに見る) (2019年8月17日 23時) (レス) id: 292ec018f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年8月1日 12時

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