ろくじゅうきゅうわ ページ22
Aside
ジェイド「…それではこうしましょう」
ジェイド「僕のユニーク魔法を知っているあなたはきっともう僕のユニーク魔法をかけるのは不可能」
ジェイド「しかしここはモストロ・ラウンジ。僕以外にもフロイドやアズールもいます」
『……つまり?』
ジェイド「あなたとラギーさんたちの関係を話すか」
『……ユニーク魔法を話すか?』
ジェイド「はい。その通りです」
ジェイド・リーチはギザギザの歯をクァッと開けて目を細めながらそう言った。
なんてシンプルな取引なのだろうか。
もしここで私が答えなければ……、…考えたくもない。
きっとどんな手を使ってでも吐かせるつもりだろう。
モストロ・ラウンジとは紳士の社交場ではなかったのか。
ジェイド・リーチに目を向ければ相変わらず目を細めて笑っていた。
『(……そんなの)』
『…前者で』
自分はまだモブでいたい私は
私がそう答えればジェイド・リーチは「そうですか、そうですか!」と嬉しそうに笑う。
『(…もう、逃げられない、か)』
私ははあ、と大きなため息を付き
なにもかも諦めて彼らに話しだした。
『……私とラギーさんはついこの間、廊下ぶつかりました。…その衝撃でフードが脱げてしまったんです』
私がそう話し出せば先程まで私のことを無視していたフロイド・リーチですら耳を傾けているようだった。
ジェイド「…ほう?」
『…そこでラギーさんに腕を掴まれて咄嗟に私はユニーク魔法を使ってしまいました。……あ、ユニーク魔法は教えませんよ?』
私がそう後付して言うとアズール・アーシェングロットは小さく舌打ちをした。
『……そして__________』
そんなアズール・アーシェングロットを無視して私は話をすすめるのだった。
.
.
『……ということになります』
今までの出来事をなるべく簡潔にまとめて彼らに話した。
すれば彼ら……否、
ツー…と、背中に冷や汗が垂れる。
…嫌な、予感がする。
ジェイド「ラギーさんたちがあなた、…Aさんの顔を見たというのなら」
ジェイド「…僕達が見たって構いませんよね?」
『……ヒョエ』
その嫌な予感は見事に的中した。
.
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ぬん(プロフ) - 素敵な作品でした! (2023年4月7日 19時) (レス) id: 855665461e (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ雪だるまを食べる - 1日中読めてしまうほど、とても素敵な作品でした!!! (2023年3月30日 23時) (レス) @page14 id: e0abe8e0bb (このIDを非表示/違反報告)
竹原紫祐 - 思いも寄らない展開で、一気読みしてしまいました!素敵ですね! (2021年12月28日 18時) (レス) @page1 id: 065c29639b (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(プロフ) - 麗さん» 誤字の指摘ありがとうございます。訂正致しました! (2021年6月6日 15時) (レス) id: ac844892e6 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 29ページ 本夢 これ誤字ではないでしょうか? (2021年6月6日 12時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜鈴 | 作成日時:2020年7月30日 20時