黒猫とドラキュラ ページ43
太輔先輩side
…好きが溢れて、どうしようもないんだ。
今すぐにでもこぼれ落ちてしまいそうで。
毎日更新されるAへの好きの気持ち。
嬉しいはずなのに辛いこの気持ち。
複雑だ。
もしも。
もしもAも俺と同じ気持ちを俺に寄せていたら?
そんなキセキ、すごすぎる。
でも、1%でも。
それだけでも可能性はあるんじゃないかなんて
いい感じの妄想とかするオレ。
好きだよ、誰よりも。
これを言って、同じ言葉が返ってきたらどれだけ
幸せなことだろう。
A「太輔先輩?」
るんるんで金魚すくいへと向かうA。
太「ん?あっ、ごめん。いこう!」
なぜこんなに自信がないのか分からない。
いつも、自信に溢れているわけじゃないけど
こんなに不安に押されるのは初めてで。
だから、自分の気持ちに蓋をして。
振られることでこれまでが消えていく、その恐怖
からなんとかして逃れようとしてる。
好きなのに告白しないなんて、ただの自己防衛だ。
逃げているだけだ。
なにも変わらない。
告白で、どっちに変わるのかなんて分からないのに
気まずくなるのか、恋人になるのかなんて分から
ないのに。
ただかっこ悪く逃げてるだけ。
A「あれ?こっちだったっけ?太輔先輩、
パンフレット見せてくれますか?」
こんなにも…
好きで。
A「ん?太輔先輩?」
愛おしいのに。
A「どうしたんですか?」
逃げてるだけ…?
太「…A」
そうだ。
逃げてちゃ、ダメだ。
てか、その前に逃げるなんてオレじゃないじゃん。
真っ向勝負。
受けて立たないでどうする!
太「ね、ちょっときて!!」
A「へぇえっ!?」
Aの手を引く。
ただでさえこの格好で注目を浴びてるオレらだけど
もっと目立っている。
Aときたのは、体育館裏。
誰もこないし、ここは…
太「初めてここであったよな」
Aと初めてあった場所だ。
A「はぁっ、はっ。そっ、うですねっ!」
あ!
疲れてる…
キング失格だよ。
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作者名:苺パンダ | 作成日時:2019年1月3日 23時