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ここ最近で一番穏やかな時間が今だなんて、本当、どうかしている。

だがそれでも、長く永く連れ添いすぎた相手を二つの意味で切り捨てるには、私も彼も、まだ時間が必要なようだった。

それが一分後か一時間後か、明日かは分からないが。

「今からでも離婚調停に持ち込む気は?」

そんな冗談を言う程度には、ルシファーには体力的な余裕が残っている。

対する私は、そうではない。

「無い。私の夫なら潔く腹切って死ね」

斧を斜めに振り下ろす。

「早々死なないと分かってての発言か?相変わらずお前は冗談が上手い」

「それはどうも」

柄の反対側の鎌に切り替え、振り上げて。

その動きを自身が手に持つ槍で受け流しながら、ルシファーは私を見つめていた。

「ところでA」

「あ!??」

「痛むぞ」

彼が、槍を掲げた。

 
――槍を投げ飛ばす気か。

 
そう思い間合いを取ろうとした瞬間、カツン、と硬い音がした。

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作者名:*Reno | 作成日時:2020年4月11日 5時

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