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Episode,18 シアワセ ページ13


注意! 死亡描写アリ

 ふっ、と瞬きをすれば、体が一気に楽になる感覚がした。ふわり、と労わるように抱きしめられる。

『む、さ゛ん…?』
「姉さま、姉さま、ねえさま、ねえさま」

 懐かしく、幸せになれる匂い。
 優しい私の弟のにおいだ。
 私は左腕を動かして、無惨様の肩を叩くようにして抱きしめた。片方の腕はまだ戻らなくて、弱弱しい圧を無惨に対して与える。
 すると、無惨は私よりも少し強い力で抱き返してくれる。

『無惨、来てくれ、た?』
「はい。大切な姉さまです。誰にも殺させない、誰にも渡さない、誰にも傷つけさせない」

 そう言いながら、無惨は私の頸筋に歯をたてた。
 自分の傷口から、無惨の美味しい血が入ってくる。だんだん力が湧いてきて、頭が明瞭になる。呼吸も整ってきて、右腕は直ぐに生えた。

『いい子、いい子』

 私は生えたばかりの右腕で無惨の頭を撫でた。

『良い子だから…私も、もう大丈夫、戦わせて?』
「駄目です」
『ここじゃどこに居ても危険です』

 私がそう言うと、無惨は眉間にしわを寄せつつ下ろしてくれた。
 その直後、舞鶴華の拘束から逃れた不死川が私たちには目もくれずに走っていく。

「煉獄!煉獄!しっかりしろ!」
「し、なず……がわ、ぶ……じか?」
「喋んな!」

 不死川が向かった方向を見ると、彼は床の上に転がっていた煉獄を近くの壁にもたれ掛けさせていた。
 煉獄の脇腹からは血が流れており、羽織や隊服はしどしどに濡れている。もう虫の息が、長くはないだろう。煉獄は不死川の肩を弱弱しくたたき、何かを言って微笑んだ。

「煉、ごく?」
「さらばだ、不死川」

 彼はそう言ったように、私には見えた。
 茫然とした不死川が、刀を取り、暗い瞳をしたままこちらを向いた。
 無惨はその顔を見た途端、私を背に庇った。

「舞鶴華、A姉さまを雑魚隊士ばかりが居るところへ」
「畏まりました」
「姉さまを殺したら貴様の頸がとぶと思え」
「存じております」

 舞鶴華が私の肩に触れ、その羽で囲むようにした。真っ赤で、暖かくて、不思議な感覚だ。
 視界が閉ざされ、真っ赤になってしまう前に私は声を張り上げた。

『無惨!どうか無事で!』
「はい」
『いってきます!』

 無惨が悔しそうな顔で口を動かしたが、残念なことに聞き取れなかった。

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三千幸 - 雨雲さん» うへぇ、そんなに言ってもらえるとは光栄です……( 三甘*´艸`) (2019年12月9日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
雨雲(プロフ) - マジで最高なんですけど、、え、マジで(語彙力) (2019年12月8日 22時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - 蓮さん» アリガトウゴザイマス―――! (2019年12月3日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いいいいいいいいいいいいいいい! (2019年12月3日 19時) (レス) id: 947501fbf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年12月2日 21時

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