Episode,11 姫抱きでイケメンが口論ってナニソレステキ ページ47
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私は誰かが言い争っているような声で目をあけた。
最初に目に入ってきたのは、真っ暗な闇。だんだんと目が慣れてくると、細かな星の粒が見えた。
……なんだか手が届きそう。そんなロマンチックな衝動に駆られて、私は真っすぐに手を伸ばした。
「姉さま!」
伸ばした手に爪を立てるように青白い手が伸びてきた。月光に透けてしまうように、輝いている。
「地味にお目覚めだなぁ……」
「うっわ、Aさんじゃん!結婚しましょう!」
少し離れたところから、殺気立った声とおなじみの汚い高音が聞こえてきた。よく確認しようと体を起こせば、折りたたむように抱きしめられた。
ヤバいヤバい……肺が機能してないっ!あ゛ーーー!痛い痛いって!
放せと、胸板を叩いてみるが私の弟がそんな簡単に話を聞くはずもなく……。だって、ぱわはら無惨様だもの♪
「……鬼狩りども、もう十分だろう。姉さまの慈悲あってのその身体だと感謝するがいい」
かなり怒ってる声だ。激おこヽ(`Д´)ノプンプンだね☆とか言ってらんない(情緒不安定)
「宇随さん、待っていただきありがとうございました」
「おいおい、鬼殺隊にあるまじき台詞だぜ?意味は分かるが、不死川が聞いたら派手に怒髪天だろうな」
「……いいのか、炭治郎?」
そんな3人の声が聞こえ、怒ったような無惨様の低い声が空気を震わせた。
「さっさとしろ。そんなに死にたいのならば、今に相手をしてやる。こんなに機嫌のいい私は100年に一度だぞ?」
一世紀に一度は見られるんだ。気まぐれすぎだろ。
『ゲホゲホ……、む、ざん』
やっと腕が離れ、肺に空気を吸いこみ過ぎて咳き込んだ。
私が声を掛ければ、極上の笑顔をしたいつもの姿の無惨様が。
『ただい、ま』
「はい、おかえりなさい。姉さま、体に痛みはありませんか?」
ここでお前のせいで肺が痛いとか言ったら怒るから、黙ってうなずいておこうっと。美月ちゃんじゃないことを指摘しても起こるから黙っておこうっと。
私は体を起こし、向こうのほうで真剣な顔をしている炭治郎に声をかけた。
『ありがとう、竈門炭治郎。君のおかげでやりたいことが出来ました。今日は休日だと思って早くお帰りよ。どうせ、無惨を倒すことは君たちには無理だろうから』
そう言えば、彼はうなずいて。しっかりとした面持ちで私たち2人を見た。
「はい!でも、鬼舞辻無惨は俺が必ず倒します!!」
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まゆゆ(プロフ) - 無惨のテンション高めな感じの時は仮面ライダー電王のモモタロスを想像してしまうw (4月30日 23時) (レス) @page12 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時