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 なんやかんやで機嫌が悪くなったり、良くなったりする美月……もとい、無惨様とさあかすを観ていた。ナイフ投げ、猛獣芸、ジャグリング……etc.を観て、いよいよクライマックスの人間消失ショーだ。

「会場のお客様で、こちらのショーに参加される方はいらっしゃいませんかぁ?」

 舞台上の派手なメイクの紳士がそう言った。その声に合わせ、私が手を上げようとすると、ものすごい力で腕を掴まれた。そっと、横を見れば犬歯をむき出しにして「がるるる」とでも言いそうな無惨様。姿が姿だから迫力に欠ける。何時もよりほわほわする。

「姉さま、何をなさるつもりです」
『ショーに参加しようかと思って』

 ワザととぼけた顔で返すと、物凄い勢いで首を絞められかけた。流石に今回はよけた。最近、私の動体視力が良くなっている気がする。

「姉さま……!危ない真似はよしてくださいと、口を酸っぱくして言ってますでしょう」
『でも、わたしにも考えがあるんだよ。鬼狩りに先を越される前に手を上げさせてくれないかな?絶対に返ってくると、約束するから』

 無惨の手を両手で握りしめ、そう言うと彼は了承してくれた。

「まあ……ここには鬼はいませんから。万が一があっても私が姉さまを守りますし」
『うんうん。心強いなー』
「ふざけないでくださいね」

 そう言って、私は手を上げた。

『はいっ!』
「はいっ!」

 同時に同じ言葉が、テントの中でこだました。
 声がした方を見れば、赤茶色の髪に緑と黒の格子柄の羽織を羽織った男の子。箱は隣の友人に預けているらしい。

 善悦と炭治郎……いたのか。

「おやおや!二人もいらっしゃった。それではこちらへ〜!」

 無惨様を見ると、予想通りの苦虫をかみつぶしたお顔。可愛い子がそんな顔をするんじゃありません。

『じゃ、行ってくるね。無惨』
「お帰りなさいって、絶対に言いますからね」


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ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ミサモ - 無惨可愛いなぁ(*⌒▽⌒*) (2019年11月18日 7時) (レス) id: 592a6abe49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時

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