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ワンピースを翻しながら舞台に上がると、司会をしていた男がニヤニヤと笑いながら「いやぁ、別嬪さんですねぇ」と言った。当たり前だろう、無惨様の顔が元なんだから。
何を言っているんだ。という風ににらめばすぐに口を閉じて、反対側から登ってきている炭治郎を迎えた。炭治郎はと言えば、こちらを集中して睨みつけながら登ってきている。
……無惨様がここには「鬼」はいない、と言ったんだ。ならば炭治郎はその嗅覚で無惨様がいることに、いま視覚で私がいることに気づいただろう。
なんで睨まれてるんだ??
「えー……それではぁ?これより、この箱の中に入っていただきたいと思いまーす!」
声に思考を引き戻され、目の前には大きな箱が2つ。
現代っ子、舐めんなよ?向こうの世界でどれだけTRPGしてきたと思ってんだ。こういう箱を見たときは大体、下に繋がってるか、一度開けたら上のふたが、もう一度開けたら下のふたが開くっていう二重形式のどちらかだ。
「さて、どちらから入られますか?」
司会の男に聞かれ、私がうなずこうとした時に炭治郎が遮るように前に出た。背が高い私からは、彼の額にうっすらと汗が浮かんでいるのが分かる。
おそらく私が先に入ることで先手を打たれないようにしたいんだろう。……ふっ。
「お、俺がっ!俺が、先にはいります!」
『……わぁお』
正真正銘の花江夏樹ボイスで叫ばれた。鼓膜痛い。あと、力がこもってる感じが伝わってきて辛い……。私、東京喰種:Reのアニメだけ全部視聴したんだよ!アレだけでも辛かったから、全部見れる決心がついてない……。
「そ、それではー」
ほら、司会の人の引いてるもん。
「はいっ!」
そして竈門炭治郎は司会者に促されて箱の中へ入り、一度 閉められた。舞台の上からだと激しく感じる静寂。
……
もう一度開かれたときには、竈門炭治郎の姿はそこには無かった。
おお〜……っ!と舞台中から喝采がとぶ。ただ、ところどころに交じる陰鬱なはなし声が人体消失ショーの異常さを際立たせていた。他の演目とは一線を画すもの。
「では、もう一人のお嬢さん?」
『……っ、はい』
声を掛けられ、慌てて箱の近くまで寄った。
使用する箱は先ほどと同じもの。もしも私の勘が正しければ、さっき上げた二つのうち一つの方法は使えない。
受け身の取り方でも思い出しておくか。
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まゆゆ(プロフ) - 無惨のテンション高めな感じの時は仮面ライダー電王のモモタロスを想像してしまうw (4月30日 23時) (レス) @page12 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時