Episode,6 探知探索得意です。 ページ23
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『……いないな』
下手に無惨様の名前を出すと部屋へ来られてしまうので、静かに部屋の外へ出た。今日は鳴女さんも他の鬼もいない。どうやら仕事や私用で無限城を出ているようだ。今、この城にいるのは童磨の1人だけ。教祖のシゴトは良いのか、と聞けば「今日は休み」だと返された。
教祖にも休みがあるんだな。
「あぁーあ、俺の首はどこまで飛ぶんだろうなぁ……」
『ここを通れば出られたはず』
私の後ろで腕を組み、そう言いながらついて来る童磨。
今日は彼に頼んで外へ出してもらうところだ。なかなか苦労したし、正直に言えばコイツと出かけること自体避けたかったのだが、他の鬼だと絶対に許してくれないので仕方がない。
「にしても、A様は本当に外へ出るのかい?」
『ええ、調べたいことがあるんです。無惨のために』
「へー、あの方が言っていた”耳に花札のような飾り”をつけた人間かい?」
『……ええ』
炭治郎が今、どんな任務を行っているのか知る必要がある。彼がこの作品の主人公なのだから話が進めば必然的に無惨様と絡んでいくだろう。その前に、状況を整理しておきたい。
あと……禰豆子ちゃんに会いたい!(本音)
「A様は健気だねー、優しい方だねー」
『そんな目で言ったってなにも出しませんよ』
「どんな目?」
きらきらと温度のない虹色の瞳で言われ、私は軽くあしらった。
程なくして、濃い影のできた森の中へ出る。ここへ来て初めての自然と言っていい。ヒンヤリとした空気や感じたことのない風。とても清々しい気分になった。
別に無惨様と一緒に居るのが息苦しいとかそういうわけではない。むしろ尊すぎてツライ。だって、あの人 毎日やって来ては本当に夜伽していくんだよ⁈毎日 本を読んでくれるんだよ!自分が寝ているときもこれをやってたって聞いて、涙が止まらなかったわ!可愛すぎるだろ??出来た弟過ぎて、ホント……つらぁ。
『んふふ……』
「え、何。急に笑い出すとか怖いんですけど」
『ああ、ごめんなさい。無惨が可愛くって仕方がなかったの』
「……」
童磨に変な顔で見られた。
なんか、コイツにそんな顔で見られるとか心外だ。
ぷいっと、他所を見た。森の向こう側を見ればよく開けた街道が見えた。目を凝らすと、目立った羽織を着た人間が2人。一人はタンポポ頭。もう一人は箱を背負っている。
炭治郎と汚い高音……。
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まゆゆ(プロフ) - 無惨のテンション高めな感じの時は仮面ライダー電王のモモタロスを想像してしまうw (4月30日 23時) (レス) @page12 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時