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「Aちゃんのおばあちゃん?」

「うん」




 Aはじっと夕日を見つめポツリと話し始めた。




「勇利くんはあったことないと思うけど・・・・・」




 景観が赤く色づき秋の訪れを喜ばんと言わんほどの金色の稲穂があたり一面に広がる地、秋田県にAは生まれた。周りはほとんど田んぼしかなく田舎の方に生まれたのだった。しかしそこはたくさんの四季の彩りに囲まれたくさんのご近所に愛されていた。その集落に何年ぶりかの子供が生まれたとなれば集落総出で喜ばれたものである。

 その中心で笑っているのはAの両親でもあるが、ほかでもない祖母である。祖母はAの母親を産み、Aの母親が小学6年生の時に父親が病でなくなり、女手一つで母を育て、養い、土方に男達に負けず劣らず働き、周りからどんなに風当たりが強くとも折れることはなかった。祖母は学が無い。戦時中に生まれ育った彼女はろくに教育を受けさせてもらえず、物心が着いた時にはもう既に働きに出されていたのだから。

 そんな彼女にも天気は訪れる。とある家に嫁ぐことがきまたのだが、その嫁ぎ先の姑がとても出来物だった。二番目嫁と言われ彼女は罵られ罵倒され、嫌がらせも受けた。だが彼女は決して折れなかった。頭ができないなら仕事で証明する。仕事は人一倍誰にも負けないくらい頑張ったのだ。彼女のもともと明るい性格からか、いろんな職場で好かれていた。

数年後にAの母を産んだが・・・・早々に病で夫を亡くし、彼女は土方で汗水を垂らし養うために稼ぎに出ていた。そしてAの母はまるで父のように頑張る祖母を助けるために家事全般はもちろん、学業も頑張った。学年では常に一位。中学高校とトップ成績を収め、大学に進むことを勧められていたがそれを蹴って少しでも祖母の負担を減らせるようにと就職し、お婿さんを貰いそして今に至る。



まるで一家の柱として父よりもどんと構えていた祖母と、頭が良く、少し気の弱い母親、気の弱い父親の間にAが生まれた。

 両親は共働きのためほとんど祖母に育てられたAはいわばほったらかしにされていた。でも、それがあったから今のAがいる。


 中学校に上がったときのことだった。中学2年の時にAは友達に裏切られいわゆるい.じ.めを受けていた。集団無視は当たり前、悪口を言われ、先輩たちからは生意気だと嫌われていた。

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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年11月10日 22時

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