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曲が始まると同時にユーリは目を奪われた。
____なんなんだよこれ・・・・
勇利は微笑んだ。
___初めて彼女の演技を見るとこういう表情をする。
信じられない。驚愕する表情。
____無償の愛、それはたくさんのものたちに
皆平等にあるもの____
さみしい思いをしているのならそばに寄り添ってあげよう
苦しい思いをしているのなら私もその苦しみを分かち合おう___
時折見せる切なげな表情、流れるステップ
「____これがAちゃんの無償の愛」
彼女らしい。聖母のような柔らかな微笑み。いや、聖母であるかのようだ。
「____Aはアガペーが似合うね」
「___それはどうかしら」
ヴィクトルの言葉に優子が遮った。鼻血は止まったのだろうか・・・・・優子はしっかりとAを見つめ断言した。
「Aちゃんはそれだけで終わるような子じゃない」
「__?」
そして、祈るよなポーズを決めたあと分かることになる。アガペーの曲が終わりAはリンクを軽く一周するとエロスの立ち位置へ移動する。
「_____!!!!!!!!!!!!」
曲が始まった途端、リンクに立っている人物が変わった。そこには女じゃない。男が居る。
____さぁ、今宵も俺に溺れなよ
可愛い可愛い子猫ちゃん?
クスリと妖艶に微笑み熱を帯びた視線を向ける男。手を取るだけじゃ足りない。
嗚呼早く溺れたい快楽という名の甘い蜜に
君はどんな声で鳴いてくれるんだい?
さぁ君のすべてを見せてくれ
俺だけを見ろ、君のその美しい瞳に俺だけを写せ!!
他の男を写すなんて絶対に許さない
君のその艶やかな声も
甘美に酔いしれたふやけた無防備な顔も
全ては俺のもの
さあ俺を楽しませてくれ
俺の味だけを覚えろ。そして俺に溺れてしまえ
そうすればきっと____
「さぁ・・・・俺と一緒に堕ちてくれ、快楽の世界へ」
妖艶に笑う彼の演技が終わった____
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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年11月10日 22時