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続き ページ31

「A、俺に隠しているとこはないか?」

杏寿郎といつものように、晩御飯を食べる。
中々会えないが、せめて晩御飯だけは、と二人で決めたのだ。

「何もないよ!どうしたの?」

未だに、悲鳴嶼さんのことで悩んでいるのがバレてしまったらしい。
人の事をよく見てる人だから、こういうのには敏感だ。

「いや、Aが辛い思いをしていないなら構わない。」

「うん、ありがとう。」

「ああ。…それにしても、本当にAは愛らしいな。」

杏寿郎は、付き合ってから私への愛を隠さなくなった。
その愛は、場所を選ばない。
勿論、柱会議でも同じだ。

恥ずかしいけど、嬉しい私は結局いつも笑って許してしまうのだ。

「杏寿郎、愛してるよ。」

「俺も、この世のなによりもAを愛してる。」

こんなに愛してくれている彼を、心配させる訳にはいかない。

浮気なんて絶対しないから、安心してね。杏寿郎。

そう、心の中で呟いて彼に口付けをした。



翌日、私は悲鳴嶼さんに会いに来た。

「律儀に、返事をしに来てくれたのか…。」

「はい、悲鳴嶼さん。昨日もずっと考えていました。」

「そうか…。では、聞かせてくれ…。」

「私、悲鳴嶼さんを」

ボタッと、刀を落とす音が聞こえた。
後ろを振り返ると愛しい彼。

「どういう事か説明してくれないか?」

殺意を抑えず、私と……いや、悲鳴嶼さんに話しかける。

「俺は、Aが好きだ…。その気持ちを伝えたまで…。」

「そうか。だが、Aは俺だけのAだ。それ以外異論は認めない。」

殺気は悲鳴嶼さんにだが、今の言葉は悲鳴嶼さんに言っているようで、私に言っている。
嫌でもわかってしまう。


杏寿郎は、私が浮気しようとしたと思ったことを。


「ちがっ……!杏寿郎!!」

「行くぞ、A。」

いつもは優しく引いてくれる手が、今日は強くて。
涙が出てしまいそうだが、考えてみれば杏寿郎にはしっかり相談するべきだった。

傷付けまいとしたことが、むしろ傷付けてしまった。
私には、それだけが悔しくて。

下唇を噛み締め、歩幅の合わない杏寿郎の後をついて行った。

続き→←☆あなたを、ずっと【煉獄杏寿郎】



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青魔導師(スマホ) - 最&高だった。それで、前に調べ物してる時に知ったんだけど、母乳や◯液って血から作られるらしい。という事はつまり……しばらくは困らないね? (2019年12月17日 0時) (レス) id: ac185f7a00 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - またリクエストいいですか?夢主柱で夢主は煉獄と協力して伊黒実弥にドッキリをする。煉獄が血鬼術で耳が遠くなったと伊黒実弥に話す。伊黒実弥信じて他の柱達に煉獄が血鬼術にかかった事を話してしまう。お願いします。 (2019年12月16日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - 美桜さん» いえ!こちらこそ、ありがとうございました! (2019年12月16日 4時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - らむんさん» ありがとうございます。煉獄の話良かったです。 (2019年12月14日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - プッツンさせたいなぁ…とか、色々考えているので楽しみにしててくださいね!! (2019年10月21日 8時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむん | 作成日時:2019年8月1日 2時

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