【鬼滅の刃】愛してる、誰よりも。【短編集】

☆愛していた【？？？】 ページ28

只今、不死川実弥と時透無一郎、冨岡義勇と胡蝶しのぶ、宇髄天元とAこと私が怪談話をしている。
帰りたい。


「ね、もう、終わらせようよ…？ほら、皆帰ろ？ね？？」

「うるせぇぞ！A！！怪談話が聞こえねぇだろうが！！」

「ちょっと、Aに話しかけないでくれる？」

「……？」

「ねえねえ、冨岡さん。入らなくていいんですか？Aちゃん、困ってるじゃないですか。ねえねえ？」

「お前ら！！ド派手に次の怪談話行くぞ！！」

ああ、嫌だ。
さっきから、『古民家の秘密』とか『仏像の破片』とか！！

なんで皆こんな怖い時間に！！！
怖い話を！！！！！
するの！！！！！

「私、1人じゃ帰れないんだよ…！お願いだから、皆で帰ろうよ！！」

「まぁ、A。地味に待て。」

肩を掴んで、今にも泣きそうな私に話しかけるのは宇髄。
宇髄は絶対楽しんでいる。

「いいか？こういう場で、そういうのはご法度ってやつだ。地味で、つまらねぇだろ？それにな、ほれっ！」

ぐいっと私を持ち上げ、膝の上に落とす。
こんなことを、する人だったか？

「う、宇髄！！怖いからやめてよ！！」

「おーおー。地味に怖がってんな！これもまた一興、ってな。」

そんな私たちを置いて、話はどんどん進んでいく。
それは大変喜ばしく、こうしたのは気遣いのできる宇髄天元だからこそだったのだと、気付いた。

「ごめん、私が怖い話苦手だからこれやってくれたんだよね。」

「そんなつもりでやった訳じゃねぇよ。まぁ、ド派手に楽しめ。」

よしよし、と頭を撫でてくれた宇髄。
だが、この後からが問題だった。

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