サンタは来ない ページ40
その頃のAは、静かなクリスマスを過ごしていた。
生まれた時からサンタなんて来たことなかったし、プレゼントをもらったことなどなかった。だからホグワーツに入るまで、クリスマスは家族と過ごして、ご馳走を食べて、プレゼントを貰う日なんだとは知らなかったのだ。
しかしAは大して傷つきもしなければ、寂しいとも思わなかった。新しく知識を手に入れたな、くらいのあっさりした感じだった。
____いつ消えようか。
Aはクリスマスに相応しくない暗いことを考えていた。
でもそれをAは暗いことだなんては思っていない。
むしろ未来に明るいことだと思っていた。
気味の悪いノッテボーム家がなくなるのだ。
ノッテボーム家に巻き込まれる哀れな男性もなくなり、次の悪夢を背負う羽目になる子供もいなくなる。
人知れず細々と続いてきた謎だらけで忌々しいノッテボーム家の終止符を、自分が打つ。
これほど名誉なことがあろうか、Aはフレッドのラブソングをしたためながら考えた。
ふと目を落とすと、ラブソングの歌詞がどこか悲壮的になってしまっていたので、
「これ、あなたにあげるわ」
と近くにいた屋敷しもべ妖精に渡した。
光栄でございます、と深々と礼をすると、大切そうに仕舞い込んだ。
没をあげただけなのに...とAは少し罪悪感を感じた。
「ねぇ_________あー...ありがとう...」
何が、という感じだが、Aはついさっきの謝罪と日頃のことを込めてお礼を言った。
「いえ、私たちは当たり前のことをしているまででございますよ」
屋敷しもべ妖精はAの言葉に隠された意味も全て汲み取ったように返事をした。
Aはこの無駄に広い屋敷に住む屋敷しもべ妖精達の、ノッテボーム家に向ける従順な態度が苦手だった。きっとそれもずっとノッテボームという我々の存在に、彼らも縛り付けられているからだと分かっている。
早く解放してあげなければ、Aが被害者である前に、屋敷しもべ妖精達もまた被害者なのだ。そして妖精達を被害者にしたのも、加害者のノッテボーム家だ。
___あと少し、あと少しだけ待ってて、私の準備が整うまで。
Aは向き直り、ラブソングの続きの作詞を始めた。
もしサンタが来るのなら、プレゼントをくれるなら、
今すぐ私の心を完成させる何かが欲しい。
薬でも、呪文でもなんでもいいから。
この世界からいなくなる覚悟を持たせてくれる、何か素敵な
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
