綺麗なあの子 ページ29
________眼鏡だ。
フレッドは一言も、相手が眼鏡をしていたとは言っていなかった。
フレッドは白く薄汚れた眼鏡をしたAしか見たことがない。
その眼鏡をしていると、ほとんどAの目は見えないのだ。
横を向いたら俯いたりした時に、眼鏡の隙間からふと
ヴァイオレットの瞳が覗くくらいで、あまりAの目を見る機会もなければ、眼鏡を外した彼女の顔なんて、一度も見たことがなかったのだ。
もしあの時の相手がAだったとして、
フレッドが気づかないのも無理はない。
フードで髪の毛が隠れていたし、その生徒が
Aのボサボサな黒い髪をしていたかは分からなかった。
「てかさぁ、前に眼鏡の____片方だけだけど、俺拭ってやったじゃん。なんでまたすぐ汚くなってるわけ？」
「あんまり綺麗だと落ち着かないのよ
フレッドが眩しすぎて........」
「あーはいはい」
Aはチラチラと上目遣いをしてみせる。
それを見たフレッドは嫌そうな顔をして適当にあしらった。
「なぁA、一回さ、眼鏡外してみてくれよ」
「えっ？」
ジョージがそう言うと、Aは素っ頓狂な声を出した。
YESもNOも言わず、頭の中で今言われたことを機械的に処理しているみたいだった。
ジョージはAの制止する声も聞かず、
Aの顔にかけられた眼鏡に手を伸ばす。
ジョージが近づくたびに、Aは一歩後ずさった。
一歩
また一歩
コツン、とAの靴の踵が廊下の壁に当たって
Aは足元に目をやった後、すぐ正面のジョージを見た。
もう後ろへは下がらない。
Aの口はパクパクと金魚のように開閉し、ダラダラと冷や汗をかいていた。
「ちょ、ジョージ！ステイ！お座り！えーーっと...おかわり！」
「ワン」
焦って変なことを口走るAに、ジョージは悪ノリする。
ジョージは歩くことをやめず、とうとうAの前まできた。
後ろへは下がれなかったAとの距離がさっきよりぐんと近づいた。
声にならない悲鳴が下から聞こえた。
周りに女子生徒がいる時は少し高く見える彼女も、
フレッドやジョージからしてみれば全然小さかった。
ジョージはAの顔に手を伸ばし、その眼鏡をつまむ。
眼鏡を完全に外したら可哀想なので、ちょっと動かすだけで見えるように、ジョージは顔を近づけた。
額と額がくっつきそうだった。
眼鏡を少しずらし、その隙間から覗き込む。
「っあ、」
そこには揺れるヴァイオレットがあった
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
