脇役である者。 (ページ10)

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10.お昼ご飯ページ10

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かれこれ、剣術体験をしてお昼になった。
お昼ご飯の時間になり、たくさん体を動かした子供達は皆お腹を鳴らして、部屋へ入っていく。

「坂田さん達も、お昼食べていって下さいな」
「え、いいんですか？」
「ひゃっほーい！！お昼アル！」
「いや～悪いですね～」

お昼まで食うのかよっ。
失礼だが、早く帰ってくれることを願っていたがそうもいかない。
はぁ…と今日何度目かのため息。
最近はため息ばかりだ。多分、50くらいは幸せが逃げている気がする。
反対に子供達は、一緒にお昼が食べられると聞いて嬉しそうである。
私はまた小さくため息をついた。

「おかわりアルっ！」
「も、もうないですよ…」
「ええー！もうないアルか？」

今知ったが……チャイナ服の少女、神楽ちゃん。めちゃめちゃよく食べる娘である。
たくさんお米の入っていた炊飯器は綺麗に米粒一つ無く綺麗に空になっていた。
隣にいる花乃ちゃんも驚いて箸がとまっていた。
あの小さな体で、あんなにたくさんのご飯が入るなんて。胃がブラックホールにでも繋がっているのだろうか。
世界にはまだまだ知らないことがいっぱいらしい。

「あっ、それもう食べないアルか？」
「うん…おなかいっぱいで」
「じゃあ、私にくれヨ！」

そして、神楽ちゃんはまだ食べれると子供達のお皿に残った物を有無言わせず平らげた。
眼鏡の少年、新八くんがそれを止めようとするも辞めず、呆れていた。

そんなこんなで、今日の残飯は0だった。

「さかたせんせー！こっちこっちー！」
「くっそ…きっつ…」

散歩の時間。また私達は子供達と公園にやって来た。
早速子供達に捕まった主人公は、鬼ごっこに付き合わされている。私はそれを遠くで見ていた。
今度は、また子供が道路に出ないように先生達も見守りにきちんと目を配らせていた。私も、銀髪を時々見つつ子供達の姿を眺めていた。

「なあ」
「うわっ？！」

すると、隣に主人公が立っていた。
全く気づかなかった。気配を消していたのか。
私は、少々警戒しつつ見えないくらいの距離をとる。

「……なんか俺した？」
「へっ？」
「いや、初対面にしては妙に警戒されてるし。今だってちょっと距離とっただろ」

バレていたようだった。
侍となると、そういうのば普通に分かってしまうものなのだろうか。

「そ、そうですかね…」
「……あのさ、俺そういうあからさまな感じなのふつーに傷つくってゆーか」
「えっ…」