捌拾肆 ページ34
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奥へ進んでいき、やっと先の男の「死んじまうッ!!」という叫び声が聞こえなくなった。あんだけ叫べるなら十分だよな。
錆「……あの男、大丈夫なのか」
『大丈夫だよ。そもそも、あの首の傷は毒に侵されたものじゃなかった。血鬼術だろうね。鬼は斬ったから腐敗も止まる』
錆「…じゃあさっきの薬の件は……?」
『ふふっ、ちょっと意地悪しちゃっただけだよ』
錆「(意地悪しちゃったのか…可愛いな……)」
あの人、少年漫画の序盤で死ぬタイプのモブだよね。フラグビンビンだったからヒヤヒヤしたわ。
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その後、行方不明になっていた十一人を無事見つけ、さっきの男が隠に回収されたことを確認して、任務は終了となった。
『てことで、報告宜しく頼むよ、烏くん』
烏「カァ!任セナサイッ!!」
バサッと大きな羽を振るいながら飛んでいく烏くん。
錆「…Aの鎹鴉、飛ぶの速くないか…?」
『ん?…あぁ、私の走る速さに合わせようと、どうやら随分と特訓をしてくれたみたいでね。頼りになる子だよ』
錆「鴉が飛ぶより速く走れるって……何者なんだ、ほんとに…」
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錆「…あ、そこに寄っていかないか?奢るよ」
『ん?何処だい?』
錆「ほら、そこの甘味処」
『よし行こうか』
てことで、現在もぐもぐうまうましているところです。
『運動の後の甘いものは格別………おいひぃ……』
錆「美味そうに食べるんだな、A」
『もぐもぐ……だって美味しいんだもん……』
錆「そうか……幸せそうで何よりだよ。
…なぁ、五年前、俺達が初めて会った時のこと、覚えてるか?」
『うん?覚えてるよ?最終選別の時、逃げてる私を助けてくれたんだよね』
もう五年前になるのかぁ〜早いな〜〜
錆「あぁ、そうだな、その後お前はこの面を外して、」
錆兎は、机に置いた私の狐面を指さす。
錆「俺はお前に、一目惚れしたんだ」
『………………へ?』
黒文字が手から離れ、音を立てて机に落ちた。
錆「好きだ、A」
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うさぎもち - 無一郎かわええ・・・ (8月5日 16時) (レス) @page47 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
冰輪(プロフ) - 無惨のママみがつおい……w (8月1日 0時) (レス) @page27 id: 3dfd0d46a5 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最新頑張ってください応援しています (2021年5月21日 22時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
りぽE - 錆兔好き…。 なんでこんなイケメンなん??錆兔と義勇さんに攻められたらやべぇな (2020年6月10日 16時) (レス) id: 15686f771a (このIDを非表示/違反報告)
桃綺薇(プロフ) - 鯖兎に惚れた…… (2020年4月20日 18時) (レス) id: 3e7a0f8c20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月18日 22時