弐拾 ページ20
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錆兎side
あの後無事集合場所にたどり着いた俺達は、説明を受け隊服も受け取り解散となった。
錆「……………」
狐の面を置き、地に頭を着く。
錆「すまなかったッ!!!!!」
『い、いいから顔を上げておくれよ…』
錆「女子に助けてもらい迷惑をかけた上に柄で殴るなど……男として恥ずかしい…!!!」
Aに情けない姿を晒してしまった…
『とりあえず顔だけでも上げてくれ…』
錆「……本当にすまなかった」
『うん、謝るのはいいんだけれどね。君は本当に反省すべきことに気付けているかい?』
錆「…俺が、鬼の挑発に乗ってしまったことか」
『うん、そうだね。鬼は感情に任せて斬るべきではない。それはわかるね?』
優しい声だ。
説教というよりも諭しているに近い。
心が落ち着いていく。母のような優しい声だ。
『…そんなに落ち込まないでおくれ。
……君は、偉かったよ。あんな状況でも、柄を手放さなかった。剣士たる者、決して己の
君は隊士の鑑だ。よく頑張ったね』
小さな手のひらが、柔らかく俺の頭を撫でた。
狐面の下で優しく微笑む顔が安易に想像できる。
錆「……あぁ…ありがとう」
好きだ。このひとが。
見目だけでなく心も綺麗なAに、惚れてしまった。
『よし。面を傷付けてしまったこと、鱗滝さんとやらに謝るんだろう?早くお帰り。きっと待ってる。
…それに義勇くんが、さっきからおどおどしていて可哀想だ』
冨「あっ、さっ、錆兎を助けてくれてありがとう…!あと、おまじないも…」
おまじない?なんだそれは。
おいなんだそれ義勇。
『ふふっ、どういたしまして。錆兎くんと気をつけて帰るんだよ?』
錆「錆兎…………錆兎と呼んでくれ」
『ん?錆兎くん?最初から呼んでるよ…?』
錆「そうじゃない!一度だけ、呼び捨てで呼んでくれただろう!!……くんは、いらない」
『へっ、あっ、わかった、錆兎…』
少し狼狽えたA。小さな声で、俺の名を呼んだ。
耳が赤い…男慣れしてないのか。
錆「…帰ろう、義勇」
冨「あっうん!じゃあね!A!」
こちらに手を振る彼女に、小さく振り返した。
錆「…………」
冨「(……なんか錆兎、機嫌いいな…)」
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Kさん - なんかこの作品のおかげで小芭内のこと好きになったわ.....この作品好きぃぃ!! (6月14日 20時) (レス) @page36 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月5日 11時) (レス) @page14 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
カド松(プロフ) - 彼女、気づいたら痣だらけになってそう (2020年11月14日 19時) (レス) id: 8d052b9284 (このIDを非表示/違反報告)
咲拉(プロフ) - お返事ありがとございます!M2様の文は個性豊かで面白い所も皆様に刺さるポイントだと思っています。これからもM2様らしいコミカルさも折り込まれた作風を楽しみにしています!真摯に対応して頂いてありがとございました。今も大変かと思いますが、体調気を付けて下さい。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 94dbf7702a (このIDを非表示/違反報告)
M2(プロフ) - 咲拉さん» 読み返してみると結構拙い文が多いですね…申し訳ないです。今度リメイクしてみようと思います!有難く参考にさせていただきますね! (2020年4月21日 0時) (レス) id: ca371dd3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月11日 13時